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税理士事務所(会計事務所)の離職率

東京都新宿区・千代田区と千葉県船橋市の税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。 新規の ご質問はこちらをクリックしてください。

 

会計事務所選びで重視しなくてはいけないポイントが、離職率です。
これは、会計事務所によって大きく異なります。

離職率はどれくらいが平均なのでしょうか。
新卒3年以内離職率は753(中卒7割、高卒5割、大卒3割)とされていますから、大卒の平均的な年間離職率は10%強、高卒は20%くらいになるのでしょう。
上場企業だとこれを公表している会社なら(発表していない会社が多い)3年以内12%で年4%、未発表企業の平均は27%くらいなので年間離職率は約10%になります。

会計事務所の統計データは知りません。主婦パートが多くて構造的に不利なこともあり残念ながら低くはないでしょう。 (それでもお客様を見ていても「中小企業の平均よりは良い」気がします) 感覚的には平均して15~20%くらいかな。

普通の業種なら、老舗企業は定着率が高く、ベンチャー企業は離職率が高い傾向にあるのですが、税理士業界の場合、ベンチャー税理士事務所が離職率が高いのは当然ですが、老舗事務所も負けず劣らず離職率が高いこともあり、
就職・転職希望者からすると、社歴の長さ、所長の年齢による明確な特徴がないのが難しいところです。

 

1.離職率の高い税理士事務所のパターン

①成長率が高く若い・ベンチャー色が強い税理士法人・会計事務所
お客様の増え方が急なので、当然残業も多くなりますし、職員をじっくり選んだり育てる余裕がありません。離職率の高さが引継ぎを難しくします。制度を変えるのも間に合いません。

それでも、

成長著しい税理士法人・会計事務所だと営業は得意なので、その手法を採用にも駆使して、ホームページや入社案内ビデオでは楽しそうに見せることが可能です。実は入社半月で2割やめさせて一年であまり残らなかったり、まずは雇用して、使えなそうならすぐ首にして、あとは残った人を順次振り落して回したりしているところもあります。

30代を中心とした最近の若手税理士で組織化できている人は、士業事務所経営者というよりはベンチャー企業経営者として行動しており、経営的にはかなり合理的な手法です。40代後半以上の所長税理士に多く見られる、従来型の「良い仕事」をじっくりしようという専門家としての経営者とは大きく異なります。事務所規模の割に税理士が極端に少なかったりします。 心臓の弱い私にはうらやましい手法ではあります。

②特化型の税理士事務所
オールラウンダーだとか、一般法人も幅広くあると言っていたのに単一職種ばかりで飽きられ、嫌がられたりします。
このタイプの多くは、よく調べれば、受験生でもわかるのですが、パンフレットを鵜呑みにする人も多いのでミスマッチがおこります。
事務所案内のパンフレットやホームページは、「営業」ツールにすぎません。
だました?方が悪いのか、だまされる方が甘いのか…。

③大手税理士法人の一部
会計事務所は零細事務所が多く、大手が少ない業界で
就活経験が浅い就職希望者も多いので、大手税理士法人にはかなりたくさんの希望者が来ます。
多科目合格実務経験者や有資格者、最近では会計士論文式試験合格者も採用して、入社後、選別するという方法で、結果を出して残った人で回していきます。
離職率が高いので、残った人の仕事量は増え、このため正社員の労働時間が長くなり(12時を過ぎることも見られ「〇〇の不夜城」と呼ばれるようなところもあったりします)、モチベーションが下がり、さらに離職率が上がるという悪循環も見られます。
大手の税理士法人でも新人の一年以内離職率が70%で三年たつとごく一部しか残らないところもあります。
それでも業務はまわって拡大を続けられるのですから、大手の求心力はうらやましい限りです。

他業種の大手なら、最近ではコンプライアンスを重視し、残業の規制が進んでいるのですが、コンプライアンスを指導すべき士業が、なぜか労働法規を守っていなかったりします。
労基署ははっきりした密告でもしない限り、税理士法人には立ち入り調査に入らないからかもしれません。

もちろん、大手税理士法人がすべて離職率が高いと言っているわけではありません。また、良い人材の取り合いは起きており、従来離職率が高かった税理士法人の中にも 採用予算が費用対効果で合うように最近では工夫しているところも増えてきました。

  ④若い税理士、個性が強い税理士の会計事務所
一番多いのはこれですね。零細会計事務所は所長のワンマン企業ですし、所長税理士自身大きな組織に属した経験が少ないですから。
若い税理士・会計士は特に人を使うことになれていなかったり、技術がなかったりします。
良かれと思って?怒鳴りすぎたり、説明が足りなかったり、職員には理不尽に見えたりします。 (私も身に覚えがあります)
中には失敗から学ぶ人もいるのですが、そのまま年齢を重ねても繰り返す方もいます。
独立志向の公認会計士も含めて一匹狼が多く組織適性に欠けるのが士業の特性かもしれません。
後継者候補の税理士を20年近く探しながら1年もたずにやめさせたり辞められたりしている高齢の税理士先生も存じ上げています。
(人としてはとても面白い方です)

離職率を下げようと思うと、

 ・残業を減らす  ・給与を上げる  ・楽しい仕事をしてもらう どれも時給単価を上げて経営的には大変です。 このため、所長税理士の考え方で離職率に大きな差が出ます。

 

2.離職率の低い事務所
一方で、ここ5年誰もやめていないなど、じっくりのんびり育ててくれているところもあります。

私が勤務していたY税理士事務所は、当時でも15年以上在籍している先輩が何人もいました。私は5年で退職しましたが、退職時で12人中、在籍年数は短い方から3番目でした。
それから15年たった今もまだ当時のメンバーがだいぶ残っておられます。

穏やかな、50代・60代の所長の税理士事務所は離職率が低いことがあります。

 

3.離職率の虚偽表示について 会計事務所の求人は、ある種、広告ですから、事実の通りとは限りません。 ホームページも、求人広告もあまりあてになりません。 離職率の情報も法人発表はいい加減なところも多いです。 残念ながら、成長率が高く若い・ベンチャー色が強いところや準大手の税理士法人・会計事務所の中には広告が上手で (〇〇%など具体的にかなり低い虚偽の数字で)離職率が低いと断言をしているところをがあることも知っています。1シーズンで50人~200人くらい採用して、増えるのが10人~30人だと、1年以内離職率70%以上なのでは? 極端な例だと離職率が低いと表示している経営者本人から大量解雇の話をお聞きしたこともあります。 別の例では、150人の事務所でわずか1か月で5人以上やめているのに「年間」離職率5%とホームページで表示したり。それって「年間」離職率じゃなくて「月間」離職率でしょ? また、年間離職率5%と表示している全スタッフの顔写真を出している営業職の強い会計事務所で、スタッフブログを見ると半分以上がリンクされていない(おそらく退職している)ので、実際には年間30%以上の離職率とか…。 成長率や年齢構成等を考えると、ちょっと考えればその低い離職率はありえないのですが、税理士受験生は世慣れていない人も多いのでわからないのでしょう。 無資格者まで含めて全員顔出ししている会計事務所の方が営業職が強い分、離職率が高いような気がします。

 

4.税理士法人TOTALの離職率 私が目標(ベンチマーク)としているある中堅税理士法人は 「離職率8%を下げるのが課題だ」と言っておられます。

税理士法人TOTALは、最近の年間離職率は10%くらいです。 うちは転勤族の主婦のパートの方も多いのでそのうち半分(全体では5%)が旦那さんの転勤等,家庭の事情による退職で、実質離職率は5%くらいです。
そのうち半分(2.5%)は採用のミスマッチ、
残り(2.5%)が、独立、他業種への転職、体調不良等になります。
直近の採用は旦那さんの転勤1名を除いて1年半近く誰も退職していませんし、だいぶ落ち着いてきましたがまだまだです。
旦那さんの転勤は避けられませんが(多店舗展開して受け皿は増やします)、採用のミスマッチを減らして実質年間離職率を優良上場企業並みの3~4%にするのが現在の目標です。

実は、お恥ずかしい話ですが、7年くらい前、まだ個人事務所時代に半年で6人の職員が辞めたことがあります。
今から思うと、私のマネジメント能力不足で、みんなには悪いことをしたと思いますが、当時は自分を否定されたようできつかったですね。
自律神経がやられて死にかけました(あるお客様に助けていただきました)。

当時は年率60%くらいの成長を続けていましたが、その時以来、無理な成長を追うのではなく、確実な成長をきちんと目指す、そしてスタッフ一人一人の置かれた状況をきちんと把握し、技術、考え方ともに確実に成長してもらえる環境を作ろうと努力しています。
その一環として
 ・受験生には資格の取得の積極的な支援
 ・主婦には仕事と家庭の両立のための環境整備
 ・税理士・有資格者にはキャリアプランの提示
を行っています。

特に資格の取得にはこだわっています。 離職率が高い時期が続くと、やめない無資格者をそろえ、資格取得を推奨しないという手法を取る会計事務所もあります。 「資格は仕事のために重要ではない、熱意があって良い仕事が出来ればいい」 というスタンスはTOTALは取りません。 資格を目指させなければ、仕事に集中して長時間働けるので給料も上がり、結果として離職率はしばらく下がります。でも、一人一人のキャリアプラン上、本当にいいことなのでしょうか。 税理士は、無資格職員がお客様を担当していますが、士業の中では異常です。 医師以外の職員が手術をしたり、助手が歯を治療するようなものです。司法書士なら、無資格者の立ち合いは懲戒事由です。長い目で見ると税理士以外の担当者は減るでしょう。法律的には現状でも税務相談は税理士しかできないことになっています。税理士が余り始めており、登録者以外の担当を禁じる法律改正・運用変更が将来も絶対ないとは言い切れません。 今、重宝されている無資格担当者は将来は不要になる危険性があります。TOTALでは現在、総勢70名の内、26名が士業資格者で、24名が資格試験の受験生です。外回り担当者には主婦を除き、資格の勉強をしてもらっています。

そういえば、 昔、スタッフに「お話があります」と言われると 退職の申し出かもとドキドキしましたが、 最近は、お子さんが出来て、育児休暇中の職員補充に頭を使うことが多くなりました。

 

 

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税理士 高橋寿克

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