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不動産営業の方の税理士試験受験

東京都と千葉県の税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。

 

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U様からのお問合せです。
■年齢 27歳
■性別 男性
■資格 宅地建物取引主任者、FP技能士。簿記、税理士科目、受験歴等はありません。
■職歴 不動産営業6年目 転職歴2回(ベンチャー企業→某財閥系不動産会社)
■学歴 高卒
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京

 

現在、不動産の売買に携わっております。不動産の実務では相続税や譲渡益や確定申告など様々な税金に関わることをよく聞かれます。しかし、税理士の資格を保有していない私は確定的に説明できないので一般論を述べた上で税務署やお客様たよりになってしまいます。
また、お客様が今不動産を本当に買うタイミングなのかどうかを聞かれた時に、数字上の話というよりはアバウトに答えることしか出来ません。
そこで税金に関わることをきちんと説明が出来て、かつ、数字上明確なアドバイスが出来る税理士や会計のコンサルティングに非常に興味をもっております。
しかし、私は実家の経済的な問題で大学にはいけず卒業しておりません。
こんな私でも税理士になれますでしょうか?
大学にいけなかった分人一倍勉強したい思いはあります。
現在自費で通信制大学(法学部)にも何とか通っております。
ただ、家族と子供もおりますので年収を400万以下に落とす訳にはいきません。

 

Q.
今の仕事を続けるべきか会計事務所に転職すべきかどうか非常に悩んでおります。
税理士試験はそう簡単な試験ではないと認識しておりますので頭が柔らかい内にしか勉強出来ないとおもっております。
何か良いアドバイスがあればよろしくお願い致します。

 

A.
税理士になれますか? という質問なら 私の答えは YES です。
税理士試験は、頑張れば、あきらめなければ、努力し続けられれば … いつか合格できます。
ただ、多くの方はその努力を続けることができないのも事実です。
U様は、職歴や、今も通信教育で勉強をしていることを考えると、向上心があり、逆境を乗り越えて道を開いていける優秀な方だと思います。
お仕事柄、所得税や相続税の税金の知識はあると、営業の場面でも説得力が増すでしょう。ただ、不動産実務だと断片的な知識ばかりになり、体系的に学ぶ期間はないかもしれません。財閥系なので、網羅的に勉強をするかもしれませんが、その場合でも、深さ、定着度という点ではやや劣るでしょう。
なお、不動産投資のタイミングは、税理士が特に得意といういことはありません。収益利回り、税金までを考えた損益計算、キャッシュフローくらいは考えますが、このレベルなら、EXCELが使えれば大差はありません。
国内外の金融・経済・社会・時代の流れを読み、お客様にアドバイスをするのは、私は評論家タイプなので好きですが、個人差があります(逆に私の場合、やりすぎるので気をつけなければいけませんね)
不動産評価の専門家である不動産鑑定士が、投資家として特に優れているという話も聞きません。おいしい物件に出会う確率が高い分だけ普通の人よりは有利だとは思いますが。
計数管理の能力さえ身につければ、U様のように現場で頑張っている営業マンの方の方が良いアドバイスができるかもしれません(お客様の信頼を得にくいというハンデはありますが)。
また、会計事務所の給与水準は未経験者の場合、入社当初は比較的低いです。会計事務所は最大手でも500名級という中小企業なので生産性に応じてしか給与は払えないし、個人別の数字が取りやすい仕事で仕事に経験が必要だからです。
資産税の勉強が進んだ不動産実務経験者なら多少評価は上がるでしょうが。

 

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税理士法人TOTALでも、大手不動産業出身者がいます。気遣いが優秀で、スマートながんばり屋さんです。
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私のお勧めは、通常の税理士受験生とは違って、まずは所得税を受験する(受験資格は大学の科目をうまくとって揃えましょう)。2~3年以内で合格できるようなら、簿記論・財務諸表論に進む。3科目あれば、選択肢は多いでしょう。
残念ながら、数年で所得税に合格できないようなら、当面、勉強を仕事に生かすことを考えましょう。所得税に飽きたら相続税の勉強をしても良いでしょう。仕事上の実益を兼ねた自己啓発でも良いし、中年以降の選択肢を増やすためのライフプランとしての税理士資格取得でも良いでしょう。
U様の場合、守るべきものがあり、取れるリスクに限界があります。子供、家族との何気ない時間・日常が幸せなのかもしれません。
与えられた環境の中で、自分の人生で何を選びとっていくかということなのだと思います。

 

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また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
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税理士 高橋寿克

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