大学院1年生の税理士試験受験と就職活動
2011年11月29日/ 高橋
東京都と千葉県の税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。
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K様からのお問合せです。
内容:
■年齢 24歳
■性別 男性
■資格 簿記論・財務諸表論合格
■職歴 なし
■学歴 MARCHの大学院1年生
■会計事務所経験 なし
■居住地 不明(おそらく首都圏)
■その他特記事項 なし
本年度受験しました所得税法はボーダーラインを超え、現在は消費税法を勉強しています。
当初、大学院免除を考え進学を選びましたが、税法の勉強を進めて行くうちにその深さと受験することの大切さを痛感し、大学院免除はせず受験して合格を目指すことに致しました。
進学後の変更となり自分の考えの甘さに反省しているところではありますが、自分にとって本当の意味で役に立つことを考え決心するに至りました。
就職活動の時期について、一般企業に比べ税理士法人では採用時期が遅く、新卒採用は少ないと聞きました。また、多くの事務所では採用したらすぐに働ける人を希望していることも知りました。
私は税理士法人への就職を希望しているのですが、税理士法人への就職にこだわった場合、大学院卒業年の8月まで就職活動を伸ばさなくてはならなくなります。
Q.今後の進路として、以下の選択肢のうちどちらに進むべきだと思われますか?
1.税理士法人への就職を目指し、卒業後半年間受験に専念し、試験後就職する。
2.一般企業の経理に就職し、いずれ税理士法人への転職を目指す。
私としましては、これ以上社会に出ることを遅らせるのは気が進まないため、希望通りの仕事ではなくとも一度社会に出て一定のマナーを身に付けることが必要だと思っています。
しかし、経理の経験と会計事務所の実務経験には違いがあり、一度経理として働き始めると、税理士法人への転職は難しくなってしまうのではないかと、不安に感じています。
お忙しいところ大変恐縮ではありますが、先生のご意見をいただけたら幸いです。どうかよろしくお願い致します。
A.
私自身は、新卒ですぐに大学院に進学することは、税理士2世以外必ずしも賛成できませんが、大学院免除の是非や、税法科目の勉強の重要性と、大学院に既に進学した人が税法免除を受けるのかは別の問題です。
K様の場合、既に大学院に進学したのですから、親の理解や協力も得られるのでしょう。国税に関する修士論文をきちんと書いてきちんと税法免除の要件を満たすことを第一目標とすべきではないでしょうか。
税理士として一定水準に達するためには、大学院免除を使うかどうかにかかわらず、税法科目を勉強する必要があります。大学院免除にしても、税理士試験組にしても法人税、消費税、相続税、所得税については税理士登録の前後を問わず、どこかで一通り知識・技術の習得が必須です。
ただ、税法の科目の勉強は働きながら、より実務を身近に感じてすることも出来ます。私は、相続税、所得税については、受験しませんでしたが働きながら、その科目の受験生と一緒に専門学校に通って学びました。
ご質問は2つの中からの選択のようですが、
① まずは大学院の修士論文をきちんと仕上げる。
② 税法を1科目合格する(今年の発表で所得税法が合格していれば問題ありません)
③ 時間に余裕があれば、税法の他科目(消費税法・法人税法、次いで相続税法)の勉強をする。
④ 就職は、再来年4月就職をめどに、来年12月に就職活動をする。
修士論文の仕上がり、他の税法の勉強の進捗状況によっては、来年の8月に就職活動をして、秋以降パートとして会計事務所に勤務し始めても良いと思います。
なお、就職活動についてですが、ここでしかできない新卒就職ですので社会勉強や、プレゼンの練習を兼ねて、会計事務所だけでなく、一般企業にしてみるのも面白いかもしれませんね。
ただ、税法免除を受ける大学院の場合(というか文系の場合、一部のトップクラスの大学院を除き)、一般企業への就職は最近の状況を鑑みると楽ではないと思います。学部卒で新卒就職なら一般企業経験も良いと思いますが、大学院修了で希望するレベルの企業の内定が取れないなら、無理に一般就職はしなくて税理士法人への就職でいいような気がします。
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