キャリアコラム
AIが変える行政書士のキャリア
AI時代を最強の武器に変える
今、行政書士業界は大きな変化の波に直面しています。AI(人工知能)とDX(デジタルトランスフォーメーション)の進化によって、「行政書士の仕事はなくなるのでは?」という不安が囁かれるようになりました。
しかし、私たちはこの変化を「なくなる」と恐れるのではなく、「進化する機会」だと捉えています。定型業務を効率化することで、行政書士の真の価値である「人間力」と「戦略的思考」に時間を集中投下できるようになるからです。
私たちが考える、選ばれ続ける行政書士の姿とは、単に正確な書類を作成する専門家ではありません。
AI活用で効率化される業務
定型的な書類作成
契約書、許認可申請書類、会社設立書類など、テンプレートやフォーマットが決まっている書類のドラフト作成や、申請事項の転記は、AIによって短時間で自動生成・自動入力が可能になります。これにより、書類作成にかかる時間が大幅に削減され「書類の迅速性・正確性」という揺るぎない基盤を築くことができます。
法令・判例・要件の調査
複雑な法令や膨大な判例、申請に必要な要件リストの確認作業をAIが高速で行い、必要な情報を瞬時に抽出しますので、調査時間が削減できます。
しかし、重要なのはAIが生成した情報や文章は、必ずしも正確ではないという認識です。法的観点から最終的な正確性を確認し、責任を負うのは行政書士自身です。AIの回答を盲信せず、法適合性を判断する力こそが、この時代に一層重要になります。この確固たる責任感こそが、お客様に真の安心を提供する基盤となるのです。
チェック・校正作業
書類の誤字脱字チェック、記載漏れチェック、法令との整合性チェックなど、ヒューマンエラーが起こりやすい作業をAIが代行することで業務品質が向上します。
行政書士の核となる価値
AIがどんなに進化しても、代替できない行政書士の核となる価値。それは、お客様の事業や人生に深く入り込み、共に未来を考えるという、人間にしかない能力です。
顧客の真のニーズの引き出し
お客様の要望や不安を丁寧にヒアリングして状況を把握し、問題点を特定して解決策を提案する能力はAIには代替できません。人間ならではのコミュニケーション能力と傾聴力が求められます。
複雑な案件の判断と戦略立案
前例の少ない案件、複数の法令や行政機関が絡む複雑な案件において、法的リスクと経営的影響などを総合的に判断し、お客様にとっての「最善の解決策」という未来地図を提案する能力こそが行政書士の真価となります。
行政機関との折衝・調整
手続きにおいて、法律の解釈や審査の過程で生じる行政機関との交渉や、審査担当者との人間的な信頼関係の構築、複数の利害関係者間の調整などは、引き続き行政書士の属人的スキルが求められる重要な場面です。
新たな価値を提供する側へ
行政書士の仕事はもともと「単なる書類の作成代行者」ではなく「企業の経営課題を解決するパートナー」「問題解決のプロフェッショナル」です。
AIを積極的に活用してルーティン業務を効率化し、その分の時間と労力を、新たな専門分野の開拓や顧客サポート等の高付加価値な領域に注ぎ込む。このような行動をとることができる行政書士は、加速するAI時代を生き抜くことができるでしょう。一方、書類作成業務のみに固執し、顧客へ新たな価値を提供できない行政書士は、AIに淘汰されていくのかも知れません。
AI時代は、行政書士が真の価値を発揮し、専門家として更なる高みを目指すための絶好の機会となるはずです。
私たちは、単に依頼された書類を作成するのではなく、AI時代を生き抜く、高付加価値な行政書士として、未来像を共に描き実現していける仲間を求めています。
私たちと一緒にプロフェッショナルとしての新たな道を切り拓いていきませんか。
行政書士事務所で働くことに興味や関心がある方はこちらの採用情報もぜひご覧ください。
皆様のご応募をお待ちしております。
執筆者

行政書士法人TOTAL
秋山 友樹子
行政書士。元マリンコントラクター勤務。主に許可申請を行う。
依頼者が新しいステージに進むためのサポートに尽力する。