早慶出身 地元志向の方にとっての税理士
2014年08月24日/ 高橋
税理士事務所・会計事務所の就職情報 の 税理士 高橋寿克です。
税理士事務所・税理士法人の採用シーズンも9月入社に向かって最後の直線勝負といったところでしょうか。もう、就職先が決まった方も多いことと思います。
未経験者の方にとっても、ずいぶん広き門になっているようで、
一つ前のご質問の方も未経験で3つの内定から選ぶという相談でしたね。
税理士法人TOTALも、9/1の定期採用は10人以上にのぼり、だいぶ進みました。
新宿の資産税担当者、船橋の外回り担当者・事務担当者など、一部では不足していますが。
なお、当社は、ありがたいことに成長率が約30%と高いのでご応募を一年中お待ちしています。
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青リンゴ様からのお問合せです。
■年 齢 23才
■性 別 男
■資 格 日商簿記2級
■職 歴 なし
■学 歴 早慶
■会計事務所経験 なし
■居住地 地方の政令市
今年の春に大学を卒業し、そこから公務員試験の勉強を始め、面接をいくつか受け、転勤がある所から内定が出た者です。
来年の公務員試験への力試しとして、独学の勉強で受験したのですが、面接対策などで色々と考えるうちに会計関係の仕事を地元でしたいと思うようになりました。
地元に拘る理由としては、私は一人っ子なのですが、最近親が亡くなり、私自身が今生きている方の親のそばにいてあげたいと切実に思うようになったことと、
東京よりも地元の方が暮らしやすいと感じていることがあります。
そして新卒の就活時、経理中心に見ていたのもあり、内定先をお断りして、税理士事務所で働きながら税理士を目指したいと考えています。
簿記を取ったのは3年前ということもあり、しばらくはアルバイトとして働きながら勉強をしたいと思っているのですが、
Q.1 社会人として働いたことのない既卒というのは、採用される可能性はあるのでしょうか、
Q.2 ある程度勉強をしてから就職活動をした方がいいのでしょうか。
ご意見をいただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
A.
親御さんの件、ご愁傷様です。残された親のことを考えての地元志向、わかる気がします。
税理士は、独立すれば自分の選んだ場所で、自分のペースで仕事ができます。
税理士は、ライセンス商売で参入障壁があるので、資格を取りさえすればのんびりと食べていく分+αの最低限の仕事だけして、家族・家庭を大事にすることもできます。
望めば、営業力が強くない人が多い業界なので、一生懸命ビジネスをすればある程度の規模までは行ける可能性も高いです。
経営が大変なら、社員・補助税理士として、勤務して専門家として生きていくことも可能です。地方都市では、「先生」として一定の社会的な地位も得られるでしょう。
収益性はそれほど高いとは言えない仕事ではありますが、安定性、専門性が高く、地方で生きていくには良い選択だと思います。
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税理士法人TOTAL出身の早慶卒の税理士の中には、資産家のご子息で家族(妻子)との時間を大事にしたいということで、(実力的にはもったいないのですが)のんびり仕事をなさっている方もいます。また、営業力があるのに、労務管理の煩雑さを嫌って人はあまり採用せず、自分で見れる分だけが良いと割り切ってマイペースで仕事をしている税理士もいます。
一方で、営業をガンガンして早くも複数の従業員を雇用している税理士、(他の)税理士法人の社員税理士・パートナーになっている税理士もいます。
もちろん、たくさんの税理士が税理士法人TOTALの社内でも頑張ってくれています。
ちなみに、私は、研究者もろくにいない世界的にもめずらしい病気で体が壊れて20歳過ぎ頃から家にゴロゴロ寝て過ごしていました。
私の両親は、野菜出荷額市内№.1農家を30年近く続けた働き者で、稼いだお金で山を買う資産家でした。
船橋本部の、「お寺」や「お城」と呼ばれている建物は、両親が働いて買った山を売って建てたものであり、私は一円も出していません。
(そこまで税理士の商売では儲かりません)
なぜかその後、奇病の服薬を勝手にやめたら病気は徐々に治ってきて、どうやら30代を過ぎても生きていけそうだとわかったとき、お金のために働くというよりは、お世話になった親の近くでマイペースでのんびり仕事がしたいという
かなりいい加減な動機で税理士試験を受け始めました。結局、税理士になっても楽はできずに経営を拡大し続けていますが。
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A.1
税理士試験の良い点は、早慶等の学歴があればキャリアのやり直しが30歳を過ぎてもできる点にあります。
実際、私自身、25歳から勉強を始めて2年間税理士試験に専念し、社会人になったのは28歳直前でした。
税理士法人TOTALにはその他にも30過ぎまで職歴が全くなかった男性が二人います。私はどちらも正社員で採用しましたよ。
2人とも司法試験元受験生です。
A.1-1
(会計事務所と関係のないアルバイトをしながら勉強した後、)社会人(正社員)として働いたことのない既卒というのは、(会計事務所に正社員として)採用される可能性はあるのでしょうか?
税理士試験で2~3科目合格後なら、採用されるのはごくごく普通です。
早慶卒の青リンゴ様なら余裕でしょう。
A.1-2
(大学を卒業してから)社会人として働いたことのない既卒というのは、(アルバイトとして会計事務所に)採用される可能性はあるのでしょうか?
そもそも、会計事務所のパート募集は、お茶出し・電話番を兼ねることが多いので女性が有利です。それでも、最近は人手不足で、男性の入力補助者を募集する税理士事務所も増えてきました。その中には受験生や主婦の便宜を考えて、時短・残業なしなどの例も増えてきました。
家の近くの会計事務所で丹念に探せば、きっと採用されると思います(入力補助者が通勤時間が短く、コストを下げられるかは、経営者にとって結構重要です)。
ただ、忙しくて人手不足の一部の事務所では、パートにかなり無理な残業をさせるケースもありますので、中堅以上の税理士法人・若手所長の会計事務所の入力補助者の募集の際は、運用の実態を確認する必要があります。
(独身男性は忙しい時に無理が効くので頼りにされます。悪いことではありませんが、受験との両立では苦労します)
A.2
ある程度勉強をしてから就職活動をすることをお勧めします。
税理士試験は、学力の高さはあまり関係ありません。速さと記憶力が重要になります。
今より若い時はありません。
税理士資格を取れないと、会計事務所に勤務し続けても、いずれ40歳も過ぎる頃、無資格という負い目を感じ、
小さな会計事務所なら事務所の消滅時に転職できるのかという問題が生じますし、
(高齢の「男性」職員の転職は厳しいものがあります)
大きな税理士法人なら、無資格者のポジションには限界があります。
もちろん、税理士として独立することはできません。
他の仕事を探した方が良かったということになりかねません。
働きながらでも官報合格も十分可能な科目の目安としては、できれば3科目合格以上が望ましいと思います。
首都圏の場合、社会人向け夜間・週末大学院が充実しているのでどうしても残り2科目合格できない場合でも、大学院に進学ということができます。
地方政令指定都市とのことですので、大学院免除のできる社会人向け夜間・週末大学院があるかどうかは確認してみてください。
ちなみに、通信制の東亜大学院は、倍率・難易度の面で必ずしもお勧めできません。他に手がない場合の最終手段くらいの位置づけが良いと思います。
個人的には、家庭環境が許すなら税理士試験に2年程度専念してもらいたいのですが、
パートをしながら勉強をする覚悟なのは、ご家庭の事情もあるのかもしれません。
青リンゴ様の若さと学力なら
受験専念なら
初年度で、簿記論、財務諸表論、法人税法(所得税)の3科目を受験する。
2年目は、落ちた科目+他の税法2科目
アルバイトをしながら受験する場合は
初年度は簿記論、財務諸表論で同時に勉強する(∵重複する部分も多い)。
2年目以降は1年一科目を目標に地道に勉強を続ける。
それでもスタートが早いので30前後には税理士になれるような気がします。
<税理士の学歴 早慶卒>
税理士試験合格者の約8割以上が大卒ですが、
(参照 「税理士の学歴」 )
税理士試験受験生の中では、(ごく一部の旧帝一工等の国立大学を除き)早慶卒はほぼ最上位層になります。
23歳のスタートなら地道な努力を続けられれば、比較的早く、税理士になれると思います。
仕事と受験の両立、ぜひ頑張ってください。
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