30代の元SE女性の会計事務所への就職

2012年06月24日高橋

東京都と千葉県の税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。
6月18日、新宿本部もオープンして、東京本部(秋葉原)、船橋本部と併せて3拠点になって頑張っています。
もっと営業を頑張って、たくさんのスタッフを採用できるようにしないといけないですね。

 

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F様からのお問合せです。
内容:
■年齢  34歳
■性別  女性
■資格  簿記3級、2級取得の為、独学で勉強中
■職歴  大手IT関連企業 SEとして3年就業後、結婚退職。
     出産を経て教育業関連業務 講師1年勤務
■学歴  旧帝大工学部卒業
■会計事務所経験 なし
■居住地 近畿地方

 

いつもサイトを興味深く拝見しております。
様々な相談者がいらっしゃる中、高橋先生が非常に率直な且つその方の立場を考慮した回答をされており、大変参考させていただきております。
昨年からの離婚協議に伴い、再就職を検討し、教育業に就業しました。簿記の勉強を始め、簿記3級程度の知識でお話をするのも申し訳ありませんが、数字が面白く感じられ、税理士資格へのステップアップを希望しています。
工学部出身の為、税理士試験受験資格がない為、現在放送大学で財政学を学んでいます。
11月に簿記2級を取得した後、税理士試験の勉強に取り掛かることを検討していましたが、年齢や途中で仕事のブランクがあること、等を加味して、出来れば簿記2級の範囲を包括して早めに勉強に取り掛かり、来年の試験勉強に取り掛かる必要があるのではないか、と考えております。
現在の仕事は夜間ですので、実家の協力を得ながら昼間に勉強をすることになります。出来るだけ家族に負担を掛けず、短期集中で通学或いは通信で資格取得をしたいと思います。

 

Q.1
そもそも会計事務所に勤務した経歴がなく、年齢も考慮し今から勉強を始めるのは無謀でしょうか。

 

また、仮に無謀でない場合

 

Q.2
資格取得の勉強を始める時期は今すぐがよいのか、簿記2級程度の知識を身につけた後がよいのか

 

Q.3
パートでもよいのですぐに会計事務所に勤務しながら業務を身に着けながら、資格取得に励むほうがよいのか、或いは資格取得の為に集中的に時間を割くべきかについて、もお教えいただけますでしょうか。

 

A.1
SEは、年齢の壁と不規則勤務で結婚生活との両立が難しいのか、
女性は20代~30代で退職される方が多いようです。
30代のM字カーブの大きな原因になっている気がします。

 

一方で、税理士業界は、大きな付加価値があげられる業界ではありませんが、
業界未経験者の30代にも門戸を開いている、数少ない事務系職場で、
(所長の方針にもよりますが)男女差別が比較的少なく
また、経験と知識の蓄積が必要で、コミュニケーション能力が生きるので
長く一線にいられる安心感もあります。

 

このため、SEから会計事務所への転職は多く、税理士法人TOTALでも、元SE・プログラマーが10名在籍しており女性の3分の一を占めます。
(前職の年収から大幅ダウンの方もあり、申し訳ないなあと思っているのですが)
子育て中でないなら(お子さんがおられないなら)、34歳でも、旧帝理系の頭脳なら間に合うと思います。

 

A.2
税理士試験の勉強は今すぐに始めた方が良いです。簿記2級は簿記論の勉強で足ります。
簿記論を勉強していれば、簿記2級の資格を求められることは会計事務所ではありません。

 

A.3
税理士資格取得の為に集中的に時間を割くべきです。 原則として、必須の簿記論・財務諸表論と法人税(または所得税)です。
所得税は、将来、資産税中心にやっていきたいなら合格しやすいし悪い選択ではありません。

 

資金に余裕があったり、実家の理解が得られて
働きながらでも(週末・夜間)大学院で免除を狙うなら、税法は消費税でも構いません。

 

旧帝理系の頭脳なら、3科目はちょっとだけ単純記憶がつらいし
あまり論理的な説明ができない専門学校の講師にちょっと?イライラするかもしれませんが(失礼!)
きっと勉強は面白いと思いますよ。

 

2科目以上合格しそうなら、来夏すぐに就職してもいいし、資金的に余裕があれば、もう一年だけ専念しても良いでしょう。
資金的に余裕がなくて、科目のめどが立たなければ、資格にこだわるならパート勤務もあり得ます。

 

会計事務所で働き始める前に税理士試験2科目程度はあった方が、税理士になる上では有利です。2年間(優秀なら1年でもOK)の受験専念で税理士試験3科目以上合格の状態が理想です。

 

勉強を始めた当初は、専門学校のパンフレットを見てすぐにでも官報合格できそうな気がしますが、実際には長丁場です。
ただ、3年以上の受験専念は、モチベーションが下がって効率が落ちるし、採用の段階で著しく不利になり、また、コミュニケーションと専門技術を学ぶべき時期にその機会を失うので、将来の税理士としての伸びを制約することになりかねません。
一般論でも税理士試験受験専念は長くても3年で止めることをお勧めします。K様の場合なら長くて2年ですね。

 

また、上記は子供がおられない場合を念頭に書きました。 お子さんがおられる場合は税理士資格にこだわらずに、安定して長く働く職場として会計事務所を検討することになると思います。 受験する人もいるし、仕事と家庭の両立を目指す方もいます。

 

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この記事の執筆者

高橋 寿克

税理士法人TOTAL 代表社員税理士 高橋 寿克

千葉県船橋市生まれ。農家の12代目。税理士・行政書士・CFP®・医業経営コンサルタント。
開成高校、早稲田大学政治経済学部卒。
1999年 高橋寿克税理士事務所を開設。現在は全国16拠点に拡大したTOTAL Groupの代表として、税理士法人をはじめ、司法書士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人を擁する。
徹底した業務の標準化やクラウドシステム(マネーフォワード、freee)活用で業務効率化を推進。「あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい」を理念に日本一の総合士業事務所を目指している。

TOTALグループでは一年を通して採用活動を行っています

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