30代主婦の育児、税理士試験受験と会計事務所への転職

2018年03月12日高橋

税理士事務所就職相談室の税理士 高橋寿克です。

 

「30代主婦の育児、税理士試験受験と会計事務所への転職」

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 K様からのご質問です。

■年齢 32歳
■性別 女性
■資格 日商簿記1級
    税理士簿財不合格
■職歴 中小企業の経理事務3年(正社員)
■学歴 MARCH経営学部
■会計事務所経験 なし
■居住地 地方都市

 

はじめまして。税理士事務所への就職のことで悩み中、いろいろ調べていたら、こちらに到達しました。質問にご回答頂ければ、これからの人生の参考にさせて頂きたいと思います。

 

現在税理士を目指して勉強中の主婦です。3歳と1歳の子供がおり、上の子がこの春幼稚園に入園予定です。そのタイミングで下の子も保育園に預け、パートとして会計事務所で働き始めるか、下の子も3歳になり、幼稚園に入園した後、仕事を探すかで悩んでおります。

(1)すぐに働き始めた場合、採用口はあるだろうが、子供が小さく、仕事、家事、子育て、勉強の全てをこなすことができず、このまま科目合格すらできないかもしれないと不安です。

(2)2年後下の子が幼稚園入園のタイミングで働こうとした場合、科目合格はもしかしたらしているかもしれないが、34歳会計事務所未経験で採用してくれるところはあるのかと考えてしまいます。
 

Q.

今すぐ働くのと、2年後まで主婦でいて、科目合格を目指し、その後に就職するのとどちらが良いでしょうか?

お忙しいところ恐縮ですが、ご返信よろしくお願いいたします。

 

A.

1.税理士資格取得にこだわらなくてはいけない強い理由がないなら、通常は今すぐ働くことをお勧めします。

 

男性の場合、いつかは独立したいという前提で税理士資格を目指す人がほとんどだと思います。

 

女性は、独立にはこだわらないけれど、転職のしやすさや、専門家としてキャリアを積みたい、あるいは真面目で単に勉強することが好きという方も多いでしょう。

 

男女差別と言われるかもしれませんが、小さなお子さんを子育て中の女性が税理士資格を最優先で目指すのは個人的にはあまり賛成ではありません。
(20代や30代でも子育て中でない女性が税理士試験受験をがんばるのは賛成です)
まずは子育てはその時にしかできない一度きりのことですし、子育てや家事は、女性中心なのが日本の現実です。税理士試験は受験期間が長いのが特徴で、その間、ストレスが強いままになります。
また、女性の場合、就職には科目合格よりも会計事務所経験の方が重視されます。資格を取っても営業で使わない女性には登録さえさせない税理士事務所も増えています。
 

勉強はしてきたけれど仕事は今一つの人より、若くから実務経験を積み重ね、速く正確に処理してくれる人を会計事務所は高く評価します。

30代になったらできるだけ若く実務経験を積んだ方が仕事はできるようになるでしょう。

社会に出ると、学生時代までと違って、どんな努力をしてまじめに頑張ったかより、何ができるかで評価されます。

 

2.税理士資格の勉強にこだわった方がいい場合

(1)独立を絶対にしたい場合

独立するなら、資格を取るしかありません。家事、子育て、仕事そして受験の両立はきついです。

この場合は、少なくとも2年程度は仕事をせずに試験勉強をした方が早いでしょう。子育てとの両立は大変ですが頑張るしかありません。

なお、2年後でも34歳の経理事務経験のある女性なら、税理士試験科目合格はもちろん、仮に1科目も合格できなくてもK様を採用する会計事務所はきっとあるでしょう。

 

(2)良い事務所がない地方にしばらくは住み続ける場合

K様のお住いの地方が、従業員教育をできるまともな事務所がないようなら、仕事ができるようになるために税理士試験の勉強を先にする手もあります。

なお、人生は長く、K様の年代なら70歳くらいまでは働かなくてはいけない時代がきっと来るでしょう。旦那様が転勤族ならまだしも、そういう地方にずっと住み続けるとしたら、将来、自分が独立して地域を支えるくらいのつもりで勉強をした方がむしろ安全かもしれません。

 

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先日、子育て中に30代前半で税理士資格をおとりになった今は50代の女性にお会いしました。

OB税理士が強い地方都市でキャリアが適切に積めていなかったため、関東に帰っての転職活動は苦戦しそうでした。
残念ですし、もったいない話です。

 

最近では地方の衰退は激しいようです。
私の住む千葉県ですら、千葉駅よりも外側の衰退は始まっています。
経営者は30年先を予測して経営をしなくてはいけません。こわい、難しい時代です。

それでも、TOTALは来年には大阪に出店しますし、その後も全国展開を進めるつもりです。
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3.幼稚園と保育園に関する補足

本題とそれますが、働き始めて就労証明が出るなら、上の子も下の子も同じ保育園に預けた方が子育ては楽な気がします。

3歳児は保育園に入れない地域ならやむをえませんが。

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我が家は、私も妻も保育園育ちで、うちの子供たちは、1歳と0歳で保育園に入園しました。保育園では社会性が身につくし、しつけもしっかりしてくれます。ママも会える時間が少なくなる分、子供にやさしく接することができます。保育園には頭が上がりません。

税理士法人TOTALのスタッフも、保育園利用者がほとんどです。幼稚園から保育園に転園させたスタッフもおられます。

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この記事の執筆者

高橋 寿克

税理士法人TOTAL 代表社員税理士 高橋 寿克

千葉県船橋市生まれ。農家の12代目。税理士・行政書士・CFP®・医業経営コンサルタント。
開成高校、早稲田大学政治経済学部卒。
1999年 高橋寿克税理士事務所を開設。現在は全国16拠点に拡大したTOTAL Groupの代表として、税理士法人をはじめ、司法書士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人を擁する。
徹底した業務の標準化やクラウドシステム(マネーフォワード、freee)活用で業務効率化を推進。「あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい」を理念に日本一の総合士業事務所を目指している。

TOTALグループでは一年を通して採用活動を行っています

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