35歳 税理士試験4科目持ち 未経験 妻子持ちの会計事務所への転職

2021年03月08日高橋

税理士事務所就職相談室の税理士 高橋寿克です。

 

「35歳 税理士試験4科目持ち 未経験妻子持ちの会計事務所への転職」

 

緊急事態宣言が2週間延長され、確定申告も昨年に次いで期限が延長されました。会計事務所勤務のみなさん、お疲れ様です。

 

 

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showbiz様からのご質問です。

■年齢 35歳
■性別 男性
■資格 日商簿記1級、簿記論、財務諸表論、消費税法、法人税法
■職歴 某製造業経理担当
■学歴 MARCH
■会計事務所経験 なし
■居住地 関東圏内

 

高橋先生こんにちは。

小生事業会社に勤務する傍ら税理士試験に挑み4科目(簿財消法)合格することができました。
現在5科目目(ミニ税法選択してます)学習中であり、一方税理士として活躍できるフィールドに転身することも検討しております。
ただ35歳という年齢と妻子持ちで転職するのも昨今のコロナ禍の状況もあり中々リスクがあるとも考えております。

転身できるのであれば希望はBIG4や中堅以上の税理士法人ですが、できれば年収維持(現年収700万弱ほど)はしたいです。

こんな状況の中ご質問ですが、

 

Q.1

税理士法人業務未経験、高年齢、4科目合格でそもそも転身は可能かどうか。
 Q.2
年収をある程度維持(最初は下がることを覚悟してますが少なくとも初年度500万以上は希望)できるかどうか。
 Q.3

ミニ税法が5科目だが安直でないか。試験科目の価値、評価、など。

 

以上3点よろしくお願い申し上げます。
お忙しいところと思いますが折角の機会質問させて頂きます。
よろしくお願い申し上げます。

 

 

A、1

可能です。
会計業界に入ってくる際には誰しも未経験が普通です。
税理士試験の受験生が高齢化しており、35歳でも特段高齢とは感じません。
4科目合格者は希少な存在です。
法人税、消費税をもっている4科目合格者は転職市場にほとんどいません。
 A. 2
参考となるデータがなかったので探しました。
税理士試験4科目の相場は 会計業界専門の人材紹介会社によると 450万円くらい。
https://www.jmsc.co.jp/knowhow/topics/9361.html
自分のところの登録者平均という統計データの信ぴょう性の問題はありますが、
感覚的にそんなに大きくズレてはいないような気もします。
ただし、これは未経験者に限らず、会計事務所経験者も含むデータですし、
平均なので、人によって全然違います
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会計業界に新規に入ってくる人の不足もあり、税理士事務所・税理士法人もこの10年弱でかなり給与水準が上がってきています。2012年当時だと300万円台後半でした。
会計業界も、士業独特の徒弟制から、一般企業のような普通の業界になってきています。
記事を書いていて困るのは、その後の社会情勢の変化等で数字は整合性が取れなくなることです。
このサイトも、過去記事についてはその時点の状況で書かれているので、事後的に合わなくなる面はあることはご理解ください。
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(1)ご自身の棚卸し
最低目標の500万円までの差額は、未経験というマイナスを補える価値があるかどうか。
売れる能力、キャリアがあるか。
営業系ならコミュニケーション能力、国際系なら語学力(英語、中国語等)…
showbiz 様なら 経理経験が考えられます。特に現職が上場企業なら評価はさらにあがります。
4科目でも5科目目の勉強が既にそれなりにしているという点は入社時期によってはかなりプラス評価でしょう。
自分の能力、キャリアを棚卸ししてみてください。
(2)相手方(税理士法人等)の事情
事務所が何か高付加価値業務を持っているか。
一般的には資産税、医療系、国際業務等が考えられます。
マネジメント経験も、管理者が不足している場合は高く評価されることもあります。
TOTALは、医療系、資産税は得意ですし、今も強化中です。
<注意点>
給与が高いということはその分、期待される点も多いということなのである程度の労働時間は覚悟が必要です。
そういう点で、慌ててすぐに転職するよりも、夏の本試験後の転職の方が良いかもしれません。
妻子がおられるので、お子さんや妻の状況によっては家事・育児の分担等も引き続き求められるでしょう。
実際には東京駅近辺の税理士法人の方が給与が高いことが多いでしょう。
家賃が高い分だけ、高付加価値業務を行っている事務所も多いので。
ただ、showbiz様のご住所によっては受験生のうちは選択しにくいかしれませんね。
人不足がひどい税理士法人は、その分年収は高くなりますが、仕事はきつくなるでしょう。
   A、3
ミニ税法の選択は、基本的には問題がないでしょう。
ただし、資産税系の事務所を目指す場合には相続税も所得税も勉強していないのはかなりのマイナスです。
特に、初年度500万円がミニマムだとしたらそういう事務所では採用されにくいかもしれません。
(1)BIG4
会計事務所の中でも、BIG4は別格です。BIG4なら、採用されれば初年度から500万円以上は払うと思います。
以前に比べるとBIG4も人不足で、採用基準はだいぶ下がってきています。
あとは自宅から通えるか、最後の1科目が合格しにくくなるのをどう考えるか、独立はしにくくなる(もちろん不可能ではありませんが)のを受け入れられるか。
(2)BIG4以外の中堅以上の税理士法人
もし、BIG4が難しい  ないし、(どうしても将来独立したい等で)考えにくい場合は
それ以外の中堅以上の税理士法人もいくつか受けてその中からご自身の感覚で選びましょう。
人生の大事な岐路なので悔いがないように転職活動をしてみてください。
現職の年収700万円の維持は最初からは難しいですが、資格を登録できて、ある程度の仕事が出来るようになれば可能なような気がします。
税理士の仕事は、経験が必要なので最初のうちは事業会社よりも給料は安いです。
その分、経験の蓄積が生きるので、長く安定して仕事をすることが出来ます。
人生100年時代に、60歳ないし65歳の定年制がある事業会社よりも、長い目で見ればいい仕事なのかもしれません。
もちろん、税理士法人TOTALも履歴書をお送りいただければお待ちしています
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税理士の平均年齢は60歳を超えています。
これをもって 参入障壁が厚いとか、AIに取って代わられるので将来性がないと批判される方もおられます。
逆に言うと、70歳でも80歳でもお元気に現役を続けている方も多いです。TOTALでも70代で頑張ってくれいる方もおられます。
健康等に問題がなければ、新しいことに取り組める人は平均して75歳くらいまでは働ける仕事です。
士業事務所の経営していると、業界に新規に入ってくる人が不足しているのはつらいものがあります。縁あって入ってくれる新人を大事に育てたいと思います。
特に、今年は事業会社がコロナの影響で新卒採用を減らしており、新卒が大量に入社してくれています。同期が多いのは良いことなのですが、受け入れ態勢を整える必要がありそうです。
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この記事の執筆者

高橋 寿克

税理士法人TOTAL 代表社員税理士 高橋 寿克

千葉県船橋市生まれ。農家の12代目。税理士・行政書士・CFP®・医業経営コンサルタント。
開成高校、早稲田大学政治経済学部卒。
1999年 高橋寿克税理士事務所を開設。現在は全国16拠点に拡大したTOTAL Groupの代表として、税理士法人をはじめ、司法書士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人を擁する。
徹底した業務の標準化やクラウドシステム(マネーフォワード、freee)活用で業務効率化を推進。「あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい」を理念に日本一の総合士業事務所を目指している。

TOTALグループでは一年を通して採用活動を行っています

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