経理派遣と正社員

2013年09月12日高橋

会計業界未経験の方は就職活動がうまく行かず、不採用が続くと自分を否定されているようで 手っ取り早く仕事に就けてお金になる経理派遣に逃げたくなります。
残業も少ないし、時給にすると会計事務所の正社員と変わらないので
(というか、賞与・福利厚生、昇給が無かったりする分、給料では派遣の方が高いケースも多いです)
一見お得そうですが、

税理士になりたいなら、派遣は絶対にやめましょう

税理士は職業専門家、プロフェッショナルです。
経理派遣は税理士業務とは異質なものですし派遣は、未経験者がキャリアを積む所ではありません。
派遣とは本来、「専門知識を持ったプロフェッショナル」が時間を有効に使うための 労働形態だったはずです。

「経験者限定」の所は高いスキルを要求します。
実際には、「未経験者可」も多く、この場合は売掛金管理・買掛金管理など、単純事務作業要員としての募集なのが実情です。

派遣は将来賃金や、独立のための技術獲得で大損です。
派遣で楽な選択をするのも自己責任で、大きなお世話ですが派遣が社会問題になっているように 格差社会の「負け組」に確定しかねません。

正社員経験がない人は分かりにくいでしょうが
日本の場合
「男性」の派遣社員は自己中心的、責任感がない
という目で見られがちです。
「女性」の場合も、正社員へのキャリアアップはできにくいでしょう。
(紹介予定派遣は除く)
若いうちは良いですが、社員とは別に扱われ、1か所に3年以内しかいられません。

派遣は、以前なら大企業の社員がやっていた「作業」、
若くて素直でないと続けられない「作業」を、
社員でない若い人に置き換えるために使われることが多いです。
このため、35歳が実質的な定年になるのです。
(会社にとっては、作業者の昇給という無駄な将来負担が減り、
解雇の問題を抱えずに、作業量によって雇用を事実上調整できます)

派遣からの脱出が出来にくいので秋葉原の事件等に見られるように社会問題になっているのです。

アリとキリギリス」ですね。

派遣よりは、零細税理士事務所や税理士法人のパートの方がいいでしょう。

大手の会計事務所の中には税理士補助という名目で 経理「派遣」要員を募集している悪質な事務所も見られます。
ホームページや募集要項では見破りにくいのですが

スタッフ数の5倍以下しか法人クライアントがない

または、

スタッフの20分の1以下しか税理士がいない

事務所は派遣中心でしょう。

将来がある若者が、きちんとした職歴も積めずに会計業界から去っていくのは 非常にもったいないことだと思います。1年税理士試験の受験に専念して 科目合格を増やすのも手ですがご家庭の事情で難しいこともあるでしょう。

派遣で働く前に 「あきらめずに会計事務所に就職する方法」はこちら

この記事の執筆者

高橋 寿克

税理士法人TOTAL 代表社員税理士 高橋 寿克

千葉県船橋市生まれ。農家の12代目。税理士・行政書士・CFP®・医業経営コンサルタント。
開成高校、早稲田大学政治経済学部卒。
1999年 高橋寿克税理士事務所を開設。現在は全国16拠点に拡大したTOTAL Groupの代表として、税理士法人をはじめ、司法書士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人を擁する。
徹底した業務の標準化やクラウドシステム(マネーフォワード、freee)活用で業務効率化を推進。「あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい」を理念に日本一の総合士業事務所を目指している。

TOTALグループでは一年を通して採用活動を行っています

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