会計事務所の採用基準

2019年09月02日高橋

税理士事務所就職相談室の税理士 高橋寿克です。

 

「会計事務所の採用基準」

 

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帰り道様からのご質問です。

■年齢 29歳
■性別 男性
■資格 簿記2級
■職歴 コールセンター業務:1年半、
IT、物流システム監視、保守:4年
■学歴 地方私立大卒
■会計事務所経験 なし
■居住地 関西
■その他(特殊事情等)
先生初めまして、大変参考になる記事が多く拝見しております。
私は現在零細企業に勤めており、将来に不安を覚えております。
それはここでしか使えないツールや知識のため会社が倒産した時どうにもならないのではないかと思い、転職活動を始めました。

最近面接した事務所は、伝票をみた瞬間仕訳が思いつくレベルじゃないとちょっと厳しいですと言われてしまい臆病になっております

そこは内勤で経験を積んで、適性をみて巡回作業を徐々に任せるそうです。
人数は所長を合わせると5人で所長50代、男性30代、女性が20、30、40代
税理士資格は全員ないようです。
年間休日は110日程でした。

そこで質問なのですが、

Q.1
やはり、一瞬で仕訳が出来るレベルがスタートラインになりますか?

Q.2
上記のような事務所は避けたほうが良いでしょうか?

Q.3
簿記2級取得が2年前なのですが、受験資格があれば簿記論などの勉強を始めた方が良いでしょうか、それとも2級の復習をしてからの方が良いでしょうか?

拙い文章で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

 

A.1

会計事務所の採用基準は、その会計事務所によってバラバラです。

・会計事務所又は経理の経験が2年程度ないと採用しないという経験者採用の会計事務所もあります。

・税理士試験の科目合格が2~3科目ないと採用しないという会計事務所もあります。

・未経験者大歓迎・簿記不問という会計事務所もあります。

 

また、同じ会計事務所でもスタッフが不足しているか余っているかでも採用基準は変わります。

スタッフが余っているときはよほど優秀でないと書類審査で落として面接自体を行わないこともあります。

逆に普段は書類審査で落とすようなレベルの就職希望者を、甘い基準で内定を出して採用することもあります(このケースは後から往々にして採用しなければよかったと失敗を後悔することになります)

 

一瞬で仕訳が出来るレベルがスタートラインになるかは会計事務所によるとしか言いようがありません。

教育能力がある会計事務所では、経験・スキルよりも、ポテンシャルの高さや組織適性を要求します。一般的な大企業と同じ感覚です。

逆に、零細・中小会計事務所で教育能力がない会計事務所は経験・スキルを重視せざるを得ないところも多いでしょう。

もっとも、大規模な税理士法人と言っても100人~1000人級なので、教育能力が必ずしも高い法人ばかりではないのが難しいところです。

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税理士法人TOTALでは、仕訳はただのスキルで後天的に教えれば慣れて誰でもできるので重視していません。

簿記2級どころか、基礎学力があれば、簿記3級すら要求しないこともあります。簿記3級レベルなら内定後にテキストお送りして勉強してくれれば問題ありません。

ただし、税理士試験の受験をしたいという男性の場合、税理士試験の受験を含めてある程度勉強しての方が良い旨伝えることも多いです。

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A.2

帰り道様の場合、経験がないのは事実なので経験・スキル重視の事務所は採用されにくいので避けた方が良いでしょう。

できれば、『未経験者歓迎』『税理士試験の科目不問』とうたっている教育能力がある事務所の方が良いでしょう。

もっとも、会計事務所の教育能力はバラツキがありすぎて求職者にはわかりにくいのが悩ましいところです。

未経験者、税理士試験の勉強が進んでいない男性はたくさんの会計事務所を受けて、採用してくれる事務所でフィーリングの合う事務所の中から選んでいくことになるでしょう。

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税理士法人TOTALは、標準化が進んでおり、教育ツールも業界内ではかなり充実していて、未経験者歓迎の会計事務所です。実際、7割が会計事務所未経験のまま入社している方です。

それでもポテンシャルが足りなかったり教えるのに大変そうな方のときは、会計事務所経験2年程度又は税理士試験科目合格後に再応募してくれませんかとお断りすることもあります。

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A.3

会計事務所の内定が出るかどうかに、簿記2級の復習をしたかどうかは、採用面接時に仕訳を切らせるテストをするごく一部の会計事務所以外は関係しません。

ただ、内定が出たあとは、昔勉強したテキストを読み返すか、簿記論の勉強を始めるか、いずれにせよ勉強は必要です。

会計事務所の職員にとって、仕入=自らの付加価値のアップ はまずは勉強です。

 

 

 

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この記事の執筆者

高橋 寿克

税理士法人TOTAL 代表社員税理士 高橋 寿克

千葉県船橋市生まれ。農家の12代目。税理士・行政書士・CFP®・医業経営コンサルタント。
開成高校、早稲田大学政治経済学部卒。
1999年 高橋寿克税理士事務所を開設。現在は全国16拠点に拡大したTOTAL Groupの代表として、税理士法人をはじめ、司法書士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人を擁する。
徹底した業務の標準化やクラウドシステム(マネーフォワード、freee)活用で業務効率化を推進。「あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい」を理念に日本一の総合士業事務所を目指している。

TOTALグループでは一年を通して採用活動を行っています

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