公務員から税理士事務所への転職と虚偽の求人
2018年04月14日/ 高橋
税理士事務所就職相談室の税理士 高橋寿克です。
「公務員から税理士事務所への転職と虚偽の求人」
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きりんじゃー様からのご質問です。
■年齢 31歳
■性別 男性
■資格 財務諸表論
(簿記論、固定資産税受験予定)
■職歴 公務員7年、税理士法人2か月
■学歴 旧帝大の少し下の大学院
■会計事務所経験 税理士法人2か月
■居住地 東京
はじめまして。
税理士および会計士の業界での転職に関して質問があります。
未経験で税理士法人に転職したのですが、面接時等で聞いた話が嘘であったとわかり、辟易しており転職を考えています。
嘘の内容は残業手当が出るといっておきながら、一円も支給しない。また退職者がずっといないといっておきながら、ここ1,2年で数人やめており、今後も2人退職予定です。
顧客の契約解除も増えているみたいで、今後が不安です。また、経験が2,3年の人がほとんどで研修体制もなく、いきなり巡回をまかせるなどこの法人にいることが不安になってきました。
Q.
転職活動を行うか、2,3年勤務してから転職を考えたほうがいいのか?
よろしくお願いいたします。
A.
結論はもうすでにご自身の中で出ていると思います。すぐにでも転職しましょう。
公務員の世界から零細民間企業である会計事務所に転職すると、文化の違いに相当困惑されたことと思います。
残業手当は、出ないところも多く、公務員と違って年間離職率も2割、3割も珍しくなく、大手でも3年したら誰もいなくなったなんてところもあります。
それでも私は、早めの転職をやはりお勧めします。
明らかな嘘をついていた、わかっていた事実を意図的に隠していたというなら信頼関係は築けないでしょう。辟易しているのですから、働いていても、勉強しても生産性は上がりません。
残業代は出る事務所もたくさんあります。みなし残業の事務所も増えていますが、その時間を超えれば支給する義務があります。休み時間の取り扱いも事務所によって異なります。夕方、(実際には休まないのに)休み時間相当を控除して残業時間を見かけ上だけ減らしているところもあります。面接の際に具体的に聞いてみましょう。嘘つきの税理士事務所ばかりではありません。
会計事務所の多くは研修体制なんてありません。まれにあってもせいぜいたいして役に立たないような市販の会計事務所向けツールだったりします。
そもそもルールがなくて、人によってバラバラに仕事をしている事務所も多いですし。
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税理士法人TOTALは、パートの方以外はみなし残業制度を設けている方が多いです(みなし時間相当の残業しないといけないなどということはありません)。夕方の休憩時間控除はないですし、残業代は1分単位で計算されています。
業務の標準化は徹底して進めており、入社当初は大変かもしれません。社内研修は、週に1度行われています。
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もっとも会計事務所業界が公務員より優れた点もたくさんあります。
前例踏襲過ぎて何のためかわからないルールは、気づけばすぐにでも変えることができます。
仕事をしているふりをして組織にしがみつく人間は少なく、雇用の多様性、流動性があります。
やった人とやらない人の給与は差があり、結果を出せばその分だけ評価・給与も上がっていきます。
所長や番頭さん・お局さん以外との無駄な人間関係に煩わされることもありません。
お客様には感謝されることが多いですし、うるさいクレーマー客なら場合によっては切ることができます。
仕事は、専門性が高く、生涯にわたってキャリアプランが立てやすく、数年ごとの部署移動もありません。
状況によっては独立して自分の力で社会と勝負ができます。
きりんじゃー様もきっとそんな税理士のよさにひかれて転職なさったことと思います。
次の転職では、じっくり見極めて自分に合った税理士事務所をさがしてみてください。
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