公認会計士試験受験経験者の税理士事務所や税理士法人への就職

2023年01月09日高橋

税理士事務所就職相談室の税理士 高橋寿克です。

「公認会計士試験受験経験者の税理士事務所や税理士法人への就職」

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ISSA様からのご質問です。

■年齢 22歳
■性別 男性
■資格 公認会計士試験受験経験
■職歴 なし
■学歴 地方国立大
■会計事務所経験 なし
■居住地 都市圏
■その他(特殊事情等)
会計士受験を始めたものの、自身がやりたかった勉強は主に税関係であり受講料の関係もあって退くに退けなくなり、今に至ります。
現在は試験勉強のため休学中で簿記などの資格も一切保有しておりません。
Q.1

この休学期間中になんらかの資格を取らなければ税理士事務所や税理士法人には就職は困難でしょうか?

Q.2

また、その就活はどのタイミングで始めるべきなのでしょうか?

A.1

前の方々に引き続き公認会計士試験の(元?)受験生からの相談です。

簿財2科目合格で会計事務所や税理士法人に就職が可能か?

元公認会計士受験生の税理士試験への転向 と 税理士事務所への就職
税理士事務所や税理士法人への就職は、別に資格を取らなくても必ずしも困難ではなく、事務所の選び方によっては可能でしょう。22歳という年齢も雇用する側としては魅力に感じるところもあるでしょう。
ただ、問題があるとすれば、下記の3点は考えられます。

(1)若さ・社会人経験がない ゆえに採用する税理士事務所、税理士法人がかなり限られる(人員の規模や教育体制)

ほぼ、新卒同様の教育が必要になるので、ある程度大きな、しっかりした教育体制を持っているところでないと働く人にとって不幸でしょう。

・一緒に考えたり、話したりする同期等がいない
・周りに受験生がいない
・いつまでも、自分が最年少で雑用が回ってくる

採用する側も、一般企業のように教育等の環境を整える必要があり、

(OJTとは別に座学等、しっかりした教育・研修が必要になる)

零細税理士事務所も多く、長く経験者採用を中心としていた税理士事務所・税理士法人にとっては かなり負担になります。

規模だけではわかりにくい点もありますので、最近の新卒の採用数を、ホームページ等で確認等するとともに、わからなければ面接の際に直接 聞いてみてください。

新卒に近い若者を採用できる所は、残念ながら首都圏ですら限られるのが現状です。ISSA様の住んでおられるのがどこの「都市圏」かはわかりませんが、それによってはお住まいの地域では就職が厳しく、首都圏等、他の地域での就職を考えないといけないかもしれません。

参考)地方から首都圏の税理士事務所への就職に関する記事

地方私立大学から関東圏の会計事務所への就職

もっとも、会計士試験を受験していたらもっと勤務地・勤務先は限られたはずなので心配は無用なのかもしれませんね。

(2)会計士試験を知らない又は会計士受験生が嫌いな税理士もいる
会計士試験は、税理士試験の簿記論、財務諸表論とかなりの程度 試験範囲も重複します。このため、ある程度勉強が進んでいれば、簿記資格(簿記2、3級)よりも有利なはずです。ISSA様は国立大学生なので新卒に必要とされるポテンシャル・学力はある程度 推認されるでしょう。

ただ、会計士資格試験をよく知らない税理士もおられますし

いつか会計士試験のために辞めるのではないかと会計士受験生を嫌っている税理士も一定数おられます。

(3)大学はきちんと単位を取って卒業しましょう。

言わずもがなですが…。

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税理士法人TOTALは、ここ数年は20名前後の新卒等の採用を行っています。
同期入社の新卒がいると情報交換が自然となされるようで、うれしく&うらやましく思います。

以前は公認会計士は専念しなくては合格しにくいため、基本は会計士試験を断念した方を採用していました。最近は一部、会計士受験生も在籍しています(個別に判断しており、広く受け入れているわけではありません)

また、会計士試験を辞めてから税理士試験に転じた受験生が最近は多くなっています。

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A.2
まだ、学生なので、私のお勧めは、少なくとも
『今年は簿記論、財務諸表論の受験を進め、
試験後にその手ごたえを参考に判断する』
くらいになります。
それ以上、専念するか、どれくらい働くべきかは
その試験後の時点で判断しましょう。

実際には、就職活動をする中で見えてくるものも多いでしょう。

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この記事の執筆者

高橋 寿克

税理士法人TOTAL 代表社員税理士 高橋 寿克

千葉県船橋市生まれ。農家の12代目。税理士・行政書士・CFP®・医業経営コンサルタント。
開成高校、早稲田大学政治経済学部卒。
1999年 高橋寿克税理士事務所を開設。現在は全国16拠点に拡大したTOTAL Groupの代表として、税理士法人をはじめ、司法書士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人を擁する。
徹底した業務の標準化やクラウドシステム(マネーフォワード、freee)活用で業務効率化を推進。「あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい」を理念に日本一の総合士業事務所を目指している。

TOTALグループでは一年を通して採用活動を行っています

この記事へのコメント

お世話になっております。
返信いただきありがとうございました。先生の意見を参考にさせていただき、今後の活動に役立てたいと思います。

2023年1月9日 8:48 PM | 質問投稿主のISSAです。

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