高卒での大学院進学(税理士試験免除)
2018年04月14日/ 高橋
税理士事務所就職相談室の税理士 高橋寿克です。
「高卒での大学院進学(税理士試験免除)」
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レガシィ様からのお問合せです。
■年齢 32歳
■性別 男性
■資格 全経簿記上級
税理士科目 簿記論、財務諸表論、法人税法
■職歴 接客業、会計事務所
■学歴 高卒
■会計事務所経験 正社員
■居住地 それ以外の地方
いつも参考にさせていただいています。
今後についてアドバイス頂きたく、ご連絡致しました。
現在、地方の会計事務所に勤務して丸3年になります。
勤務先の事務所は所長が高齢であり事務所の先行きが不透明である点、良いも悪いも現状維持といった事務所の体質があるため、スキルアップを図りたいとの思いから転職を考えています。
転職する場合には、H30の試験後(消費税法、国税徴収法を受験予定)から具体的に動くこととなりますが、32歳という年齢ということもあり、H30年の試験後には大学院への進学も検討しています。
ただ、32歳、実務経験3年で転職後1年目から大学院への進学を認めてくれる事務所に採用される見込みがあるのかと考えると厳しいのかなと思いますが、行動せずに免除まで転職しないとなると年齢も高くなり、スキルアップの機会を失ってしまうのではと考えます。
Q.
そこで、今の事務所で大学院の免除が終わるまでは働くべきか若しくは本年度の試験後に転職すべきか悩んでおります。
アドバイスいただければ幸いです。
A.
税理士試験後に転職活動をして、納得できる条件の事務所があれば転職することをお勧めします。
税理士事務所の2極化が進んでいます。
100人を超えるような大手税理士法人は、税理士法人TOTALを含めて今も成長を続けています。
一方で、高齢の税理士が所長の多くの会計事務所は、現状維持ないし、ゆるやかな衰退の道を辿っています。めぼしい産業のない地方ではその傾向がより顕著でしょう。
ITテクノロジーの進化に伴い、クラウドソフトへの対応(freeeやMFクラウド)、Fintech(フィンテック)、RPA(Robotic Process Automation)、AIといった大きな時代の転換点に差しかかっています。人間がやるべき仕事とは何か、会計人は何をしていくべきなのかという問いに対する答えがこれからの税理士には求められています
(ちなみに私は税理士の将来については全く悲観していません。より本質的、人間的な業務をしていくチャンスでもあります)
多くの高齢の所長税理士は、自分の気力・体力に合わせて今のお客様・スタッフを徐々に減らして会計事務所を経営するでしょうから、新しいことにチャレンジするのは難しいでしょう。
転職市場では昔から、30代前半までの転職を高く評価する傾向があります。これは若さ、可塑性があり、新しい環境、ルールになじめるのがその年代くらいまでだと思われているためです。
都心部に転職する気があるなら仕事はいくらでもあるでしょうが、地元に残るならどれだけ条件に合う会計事務所があるかわかりません。このため、できれば税理士試験後に余裕を持った状態で、現職に在職したまま転職活動をすべきだと考えます。その場合、大学院についても調べて、通学に便利かどうかも会計事務所選びの要素になります。
大学院に進学した初年度は、単位の取得・通学でかなり時間がかかります。通学に理解がある会計事務所を探しましょう。人不足の今なら、レガシィ様のような税理士試験3科目合格、経験3年のアラサー男性はかなり高評価になり、引く手あまたです
(税理士法人TOTALでもレガシィ様のようなタイプの方が欲しい と現場のマネージャー、所長からはよく言われます)。
ただし、給与については、労働時間が減るため今よりも下がることも十分考えられます。
・家庭をお持ちなら、他の会計事務所の給与等の条件によっては現職の所長に相談の上、転職せずに大学院通学をした方が良い場合もあるでしょう。
・独身 又は 夫婦で働いていてまだお子さんがおられないようなら、目先の収入よりも転職をして新しい事務所に転職する方が長い目で見ると良いように思います。
短期的には、労働市場はオリンピックまでひっ迫しており、有効求人倍率は記録的な高さです。このため、現状では30代後半はおろか、40代まで転職市場は広がっています。
ただ、IT化の進捗いかんによっては会計業界は処理の自動化が進み、レガシィ様が大学院を修了する3年後には、オリンピックが終わって転職市場は冷え込むおそれもないとは言えません。
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TOTALでは例年、数名ずつ大学院に進学しています。それに加えて、今月あらたに大学院に通うために転職してきてくれたスタッフがいます。
あまり知られていませんが、レガシィ様のように、高卒の方でも、大学院進学は可能です。会計事務所勤務経験者の場合、税理士試験3科目合格が『大学を卒業した方と同等以上の学力がある』と個別に入学資格審査で認定される可能性が高いからです。
税理士法人TOTALの高卒2科目合格のスタッフにもこのことを教えました。彼も仕事に加えて、ラスト1科目の合格を目指して頑張ってくれています
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お忙しい中、ご回答頂きありがとうございました。
先生に頂いたアドバイスを今後の転職活動に活かしたいと思います。
2018年4月14日 11:10 PM | レガシィ