子供の出産予定と税理士事務所の就職

2015年06月22日高橋

税理士事務所就職相談室の税理士 高橋寿克です。

 

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桃様からのお問合せです。

■年齢 27歳
■性別 女
■資格 簿記2級 普通自動車運転免許
    TOEIC 900
■職歴 メーカー営業(正社員)2年
    外国語関連の事務
    (現在は週5フルタイムのアルバイト)2年~
■学歴 早慶 社会科学系の学部(商・経済・法・政治経済)
■会計事務所経験 なし
■居住地 首都圏
■その他(特殊事情等)
8歳年上の男性と結婚予定です。
相手の年齢を考慮し、早期に出産を希望しています。

 

現在の仕事は、外国語関連の事務、法人・顧客対応・一部クレーム対応などで、大したキャリアにはならないものの、産休・1歳までの育休取得は可能です。

 

ありがたいことに職場でも仕事ぶりを評価されており、試験勉強に配慮していただいて、試験前の有給消化による5日程度の休暇取得が可能で、残業は一切ありません。通勤時間は片道20分で、子供の発熱などによる急な欠勤等にも対応していただける環境です。

 

私は新卒で就職後、体調を崩して退職しましたが、徐々に回復し、現在はフルタイム勤務の傍ら、専門学校の通信講座にて税理士試験の勉強(簿記論)をしています。

 

今後、結婚・出産をするにあたり、どのタイミングで会計事務所に就職すべきか悩んでおり、相談に乗っていただければ幸いです。

 

Q.大まかな事情は上記の通りですが、
自分の中では、以下の2パターンで悩んでおります。

 

<プラン1>

「勉強を続けながら、なるべく早くに出産する。
育休・産休取得後、子供が6歳になる頃に会計事務所に未経験として入所する。場合によっては途中で大学院免除も検討する。」

メリット:子育てに理解のある職場なので、ブランクを空けずに仕事を続けることができます。

デメリット:
(1)入所前にどれだけ科目を集められるかが勝負ですが、フルタイム勤務で家事もあるため、思うように勉強時間が取れるか不安です。(週3・週4日など、勤務日数を減らすことは不可です)。

(2)子供が6歳になるころにはスムーズにいって35歳になっており、未経験での入所は年齢がネックになるかと思います。

会計業界が求職者にとって売り手市場の今、業界に入るべきではないかと不安です。

 

<プラン2>
「2年程度、受験に専念した後、会計事務所に就職活動をする。
数年勤務した後、出産し、可能であれば復帰し、働き続ける。」

メリット:未経験でありながら、科目合格(うまくいけば)して就職活動することができます。

 デメリット:
(1)出産が遅くなります。相手の年齢を考慮すると、今後のマネープランを考えたときに、第2子はほぼ望めなくなります。

(2)就職した事務所が子育てに理解がある環境であるかは分かりません。
もちろん、実家のサポートを可能な限り利用し、責任をもって仕事はしますし、そもそも採用時に既婚子なしの状態なので、事務所側も将来的な出産を想定しているだろうとは思うものの、「続けられるか」に不安が残ります。

ちなみに、夫は激務で、家事・育児を主に担うのは私になる見込みです。

(3)ブランクができます。また、その間無収入となり、主婦になって夫が一生懸命働いて稼いでくれたお金を使うことに罪悪感があります。

 以上です。

 

現在は試験前の追い込み期間というのに、就職のことで思い悩んでしまっています。

可能な限り、出産のタイミングは夫の希望を叶えてあげたいとは思うものの、大黒柱にはなれなくても、少しでも夫を経済的にも支えたいと思っております。

女性としてのキャリアについて、お手数ですが、何かアドバイスを頂ければ幸いです。

 

 

 A.
ちょっと早いけど、ご結婚おめでとうございます。
「素敵な奥さん」になりそうですね。

 

昨日は、「父の日」でした。
子供たちからプレゼントをもらいました。
父にはプレゼントを贈りました。
親子3代で、食事会です。
子供は、人生にとって「宝」です。
夫婦が仲良く、そして子供に恵まれた人生ほど幸せなものはありません。

 

「大黒柱にはなれなくても、少しでも夫を経済的にも支えたい」
なんて言われると男性は助かります。
子育てには経済的なコストがかかりますが、
それ以上の幸せをもたらしてくれます。
2人でも3人でも希望のお子さんが授かると良いですね。
夫婦2人で働けば、経済的には問題ないと思いますよ。

 

現職は、仕事と家庭、受験の両立をする上で大変恵まれていますね。

個人的には<プラン1>に近く、現職にとどまって、働きながら 又は 産休・育休を取りながらしばらく勉強するのがお勧めです。

今の職場の給与水準が低くなければ、理解がある現職在職中のうちに、産休・育休を(場合によっては2回以上)取りたいですね。
<プラン2>の場合、転職する会計事務所が子育てに理解があるかは確信が持てませんし、受験状況によっては正社員での就職にならないかもしれません。
出産のタイミングが意図通り進むかもわかりません。
育休・産休は上手に使いましょう。

 

相対的に<プラン1> の方がリスクが少ないような気がします。

なお、せっかく英語ができても、BIG4は3科目の時点で年齢制限に事実上引っかかるし、その年代からの転職では子育てとの両立にはそもそも向かないでしょう。
それ以外の税理士事務所は、優秀な女性にとって、売り手市場かどうかはあまり採用の際に問題にならないでしょう。

 

ただ、お子さんが6歳になるまで待つ必要はないように思います。
独立志向が強ければ、若くして税理士になった方が有利です。
女性の場合、子育て中に税理士として独立するのは結構大変です。
桃様がどちらかというと、家庭との両立を重視するなら、
3科目合格できたら、予定より早めに会計事務所に働き始めるのも手だと思います。
この場合は、出産が終わり、産休・育休を取った後なら、
正社員にこだわらず、パートでの勤務で両立しやすくするのもいいでしょう。
(正社員で担当を持つと、「営業」の要素が強くなり、仕事に対して真面目な人だと切り替えができにくくて受験との両立が苦しくなります)

 

会計事務所は、正社員とパートの区別が厳格でなく、自身の状況によってはフレキシブルに変えられることができます。
また、いったん会計事務所「経験者」になってしまえば、女性の転職は比較的容易です。
この辺が、子育てやご主人の仕事に影響されやすい主婦に、会計事務所が人気がある理由でしょう。

 

子供は出来れば2人欲しいけれど…
  実際は一人しかいない。
  なかなか授からなくて不妊治療を受ける。
こういった夫婦が多くおられます。
晩婚化、第1子出産年齢の高齢化が理由だという意見があります。
私は36歳の時に第1子が生まれました。
少し遅いかなと心配しましたが、ちょうどよかったのかもしれません。

 

順調にお子さんが生まれると良いですね。
抱え込み過ぎず、親や保育園を巻き込んで子育てを頑張ってみてください。

 

子育ては計画通りにはいきません。

子供にも個性があり、親の思う通りにはどうせいきません。

そこがまた、子育ての、そして人生の楽しみになります。

子供が生まれたら、受験や、仕事は、あまり決めつけすぎず
子育てを楽しみましょう。

 

 

 

 

 

 

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この記事の執筆者

高橋 寿克

税理士法人TOTAL 代表社員税理士 高橋 寿克

千葉県船橋市生まれ。農家の12代目。税理士・行政書士・CFP®・医業経営コンサルタント。
開成高校、早稲田大学政治経済学部卒。
1999年 高橋寿克税理士事務所を開設。現在は全国16拠点に拡大したTOTAL Groupの代表として、税理士法人をはじめ、司法書士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人を擁する。
徹底した業務の標準化やクラウドシステム(マネーフォワード、freee)活用で業務効率化を推進。「あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい」を理念に日本一の総合士業事務所を目指している。

TOTALグループでは一年を通して採用活動を行っています

この記事へのコメント

こちらの質問をさせていただいた桃と申します。
お礼のコメントを送信したつもりが、
出来ていなかったことが、
何気なく見返したところ発覚し、
今になって気づきました。
大変失礼いたしました。

こんなに遅いのは申し訳なく思いますが、
どうしても、お礼を申し上げたくて…
親身になってご回答いただき、本当にありがとうございました。

2016年11月21日 10:45 PM | 桃

>桃様
ごていねいにありがとうございます。

人生いろいろ、
その時々を悩み、楽しみながら生きていくものだと
私自身、日々実感しています。

2016年11月26日 9:44 AM | 税理士 高橋寿克

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