税理士試験と司法書士試験

2020年06月14日高橋

税理士事務所就職相談室の税理士 高橋寿克です。

 

「税理士試験と司法書士試験」

 

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にゃん太郎 様からのご質問です。

■年齢 30歳
■性別 男性
■資格 日商簿記2級、行政書士
■職歴 公務員→会計事務所(1年)→零細事業会社(現在)
■学歴 地方国立大
■会計事務所経験 正社員(入力補助)
■居住地 中四国地方

高橋先生、はじめまして。
にゃん太郎と申します。
わたしは現在、司法書士試験を勉強していますが、このまま受け続けるか、税理士試験に転身するか悩んでいます。

一昨年、行政書士試験を4ヶ月の勉強で合格し、この調子で司法書士試験も突破しようと思い、1年半勉強してきました。司法書士になろうと思った動機が、お恥ずかしい話ですが低水準の年収280万円(世間ではワーキングプワーと謂われる水準でしょうか)から脱却したいと思っているからです。

 

現在勤務先である会社の事業規模や売上からして収入が上がる見込みもなく、将来性は全くありません。収入アップが見込める資格を取ったら転職をしようと考えています。

 

先述のとおり私は司法書士試験受験生ですが、税理士になってみたいという気持ちがあります。元々税理士になりたいために公務員をやめた経緯があります。
ただ前職の会計事務所では人間関係が上手くいかず、その事務所も、税理士を目指すことも一度は辞めてしまいました…

税理士に未練というか興味はあるんですが、税理士試験だと科目合格制ですし合格までの長い期間、今の収入のままと考えたら足がすくみます。1年だけ会計事務所で補助をしていたとき、税法科目に何年も受からない先輩や上司を見てきていることも理由かもしれないです。
税理士試験が長丁場になるくらいならば、一発合格できる司法書士試験で短期決着をつけ、人生を早く変えたいとも思います。
焦燥感や恐怖心に駆られて義務的に勉強している…それが本音です。
司法書士に対し前向きな気持ちで勉強出来てないため、仕事以外の全ての時間を義務的に勉強に費やしてる自分って一体何してるんだろうかと思いに耽ることがあります。

Q.
司法書士のやり甲斐や魅力を洗い直し、モチベーションを上げるべきか、それとも、自分の正直な気持ちに従って税理士試験にトライすべきか…

 

もし税理士試験に切り替えるならば簿財と税法1科目合格後に転職活動をして、年収を落ち着かせてはどうかとも思い始めてます。

考えがまとまらない状態での相談で恐縮ですが、アドバイスよろしくお願いします。

 

 

A.

もう自分の中で答えは出ているのではないでしょうか。

 

税理士試験も司法書士試験も難関です。

①税理士試験は昔から受験期間の長さが問題でした。

②司法書士試験は一発勝負で、最近では合格年齢の高さが問題です。
(昨年度は司法書士試験は、平均合格年齢が40.08歳とついに40歳を超えました)

 

ちなみに私はどちらの試験も学習した経験があります。
司法書士試験は 合格ももちろん、本試験を受験した経験すらないので
奥様(私の妻は結婚後、受験しはじめて合格した司法書士です)には頭が上がりません。

 

人生を逆転できる、ワーキングプアから脱出できるのは難関で普通の人には合格しないからです。

どちらも難関なら、よりやりたい方を選んだ方が頑張れるし、後悔は少ないような気がします。

 

>元々税理士になりたいために公務員をやめた

>焦燥感や恐怖心に駆られて義務務的に勉強している…それが本音です。
司法書士に対し前向きな気持ちで勉強出来てないため、仕事以外の全ての時間を義務的に勉強に費やしてる自分って一体何してるんだろうかと思いに耽ることがあります。

 

どちらに より なりたいかは はっきりしていますよね。

ちなみに私のお勧めは、

1年間、簿記論と財務諸表論を本気で専念して勉強して
合格レベルに達したら、会計事務所に勤務する

です。

 

理由は、にゃん太郎様もご存知のとおり、税理士試験は長丁場だからです。

ただし、早めに終わらせる方法(裏技?)はあります。

簿財を合格して、ミニ税法を働きながら合格し、
働いたまま、大学院に進学し、税法免除を狙うという方法です。

実は、最近では官報合格者は減り続け、この大学院免除者が増えているので
新規登録者で見ると人数的には逆転し、裏技どころか、こちらがメインルートになってきています。

 

中四国地方には、通学に適した大学院はあまりないかもしれませんが、
通信では有名な税法免除の大学院があります
(全国から受験しに来るので倍率は高いかもしれません)。

もっとも、通学の方が良ければ、その時期に大学院が多い関東、関西、名古屋で働くこともできます。

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税理士法人TOTALでも、子育て中のスタッフが上記の通信制の大学院を修了しました。今では税理士として活躍してくれています。

税理士法人TOTALでは、今も大学院に通学しているスタッフも多くおられます。
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にゃん太郎様は、行政書士試験を4か月で合格しているように、試験適性はあるでしょう。地方国立大学ということは学力もおありです。
簿記論、財務諸表論なら、1年専念して精いっぱい努力なされば、合格か、不合格でもある程度は仕上がるような気がします。

会計事務所のいい点は、無資格者でも一定の評価がされるし、生活できる給与が支給されるという点です
税理士事務所を適切に選ぶ必要はありますが、経験一年、専念一年なら年収280万円を超すのは難しくないでしょう。

 

税理士試験・司法書士試験は、確かに難関ですが、
にゃん太郎様にはあきらめずに頑張ってもらいたいと思います。

 

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TOTALには、司法書士受験生もたくさんおられます。

今年は、コロナの影響で今(6/14)の段階でも 試験日程が決まっていません。

受験生のみなさんには心労が絶えないことと思います。

 

今できることをして、受験勉強、がんばってください。

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この記事の執筆者

高橋 寿克

税理士法人TOTAL 代表社員税理士 高橋 寿克

千葉県船橋市生まれ。農家の12代目。税理士・行政書士・CFP®・医業経営コンサルタント。
開成高校、早稲田大学政治経済学部卒。
1999年 高橋寿克税理士事務所を開設。現在は全国16拠点に拡大したTOTAL Groupの代表として、税理士法人をはじめ、司法書士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人を擁する。
徹底した業務の標準化やクラウドシステム(マネーフォワード、freee)活用で業務効率化を推進。「あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい」を理念に日本一の総合士業事務所を目指している。

TOTALグループでは一年を通して採用活動を行っています

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