税理士事務所の就職における早慶卒の価値
2012年11月23日/ 高橋
東京都千代田区・新宿区と千葉県船橋市の税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。
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Y様からのお問合せです。
内容:
■年齢 31歳
■性別 男
■資格 簿記、財務諸表論、消費税(3科目とも12月合格見込)
■職歴 社会人経験なし、会計事務所経験なし
■学歴 早慶理系
■居住地 首都圏
25歳で大学卒業後、アルバイト(家電販売)をしつつ、公認会計士の勉強を始めましたが、自分自身の甘さから4年たっても短答に受からず断念しました。
何故ちゃんと自分の人生にしっかり立ち向かわなかったのかと非常に後悔しております。その後、税理士を志し、1年間の受験勉強の末、今年3科目合格見込みです。体力、社交性には自信はあり、人生の遅れを少しでも取り戻せたらとモチベーションも高いです。発表後、就活を開始します。
Q.
正社員としてどちらかの会計事務所に採用していただけるでしょうか?また、実務経験を積んだあと努力次第では中堅以上の事務所へのステップアップは可能でしょうか?
A.
書類選考は通りやすいし、正社員として会計事務所に採用される可能性はもちろんあります。
実務経験を積む前に(ステップアップではなく)最初から中堅以上の税理士事務所、税理士法人に採用されることもあるでしょう。
(元) 公認会計士受験生からすると、税理士試験の簿記論、財務諸表論は取り組みやすいのでしょうが、初年度3科目合格(予定)は素晴らしいですね。
公認会計士は、昨年、一昨年と極端な就職難で、早慶卒でも半分近く?監査法人に就職できなかったとお聞きしています。
特に、アラサー以上は壊滅的だったとのこと、人材を生かしきれなくてもったいない話です。
監査法人の就職難からY様は過度の弱気になっておられるのかもしれませんね。
税理士事務所では、早慶卒は希少です。
先日、ある中堅税理士法人の所長(慶応卒)が
「早慶卒なんてほとんど来ないよ。うちは、慶応卒なら、即採用だよ」とおっしゃっていました。
税理士(有資格者)の場合、MARCH、日東駒専が多く、早慶はやや少なくなります。
税理士事務所の「職員」ではなおさら早慶卒は比率的には少ないでしょう。
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税理士法人TOTALでも、学歴は、あれば有利なのは事実です。
もちろん、学歴で採用しているわけではありませんが、一定の学力の証明にはなっていると思っています。
しかし、高校卒、専門学校卒でも無資格でも優秀な方は素直に評価します。
実際、スタッフで学歴・資格に関係なく優秀な方はいます。
重要なことは入社後の仕事の質と量、それからコミュニケーション能力です。
税理士法人TOTALは、学歴的には早稲田大学卒が8名と最大で、明治大学・立教大学などに次いで、慶応大卒も複数名おられます。
私の母校は早稲田大学ですが、学閥はありません。多いのは応募も多いからでしょう。早稲田卒でも採用しないことは普通にあります。
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Y様に就職について注意点があるとしたら2点、
(1)学歴がマイナスになる場合もある。
会計士と違い、早慶の学歴が高すぎて、所長によっては嫌うことがあります。
理系の早慶となると、頭ばかり勝って、使いにくそうだと思われたり、
入社後、早慶なのにそんな簡単なこともわからないのかという反応をされたりします。
この辺は、所長の考え方次第なので、所長の経歴や、会ってみての感じで判断するしかありません。
(2)社会人経験の不足
社交性には自信をお持ちのようですが、30代になるまで、正社員経験がありません。
ビジネスマナー、話し方、文章の書き方など、本来、20代で身に着けるべきことができていないかもしれません。
周りは、多くの人は、もしかしたらあなたより勉強も苦手で、税理士試験も進んでいないかもしれません。それでも謙虚に教えをこうて、学ぶ姿勢が必要だと思います。
試験発表後の就職活動頑張ってください。
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