キャリアコラム
行政書士と他資格(社労士・税理士)を組み合わせるメリットは

行政書士は、官公署に提出する書類の作成や許認可申請の手続きを主な業務とし、その業務範囲は多岐に渡ります。遺言・相続、自動車登録、土地活用、内容証明、各種契約書、日本国籍の取得など、市民生活や企業の活動に関わる幅広い手続きを支援します。この広範な業務範囲から、「まちの法律家」として、幅広い法律に関する書類作成やアドバイスを通じて、トラブルの未然防止にも貢献する役割が期待されています。行政書士の業務は顧客との信頼関係が基盤であり、誠実な対応や迅速なレスポンスが信頼獲得の重要な要素とされています。
ワンストップサービスの提供による顧客満足度の向上
現代において、顧客が抱える課題は単一の専門分野に留まらず、複雑に絡み合っていることが多く、それらを一貫して解決できる専門家への需要が高まっています。これは、顧客のニーズが多様化している現状を反映しており、士業事務所においても、情報共有の効率化や顧客対応のスムーズさが課題として挙げられています。このような背景から、複数の専門分野を横断的にカバーできる専門家は、顧客にとって大きな価値を提供できる存在となります。
競合との差別化と市場価値の向上
複数の資格を保有する、いわゆる複合資格は、より幅広い分野の相談に対応することを可能にし、顧客満足度の向上に繋がります。また、自身の市場における価値を高め、キャリアアップを加速させる有効な手段ともなります。行政書士の業務は広範囲に及びますが、その中から自身の強みとなる専門分野を見つけ、そこに特化することで、他の行政書士との競争において優位性を築くことが可能となります。複合資格は、この専門性をより深く、かつ複合的に追求するための強力な手段であり、例えば、単なるビザ申請だけでなく、ビザ申請からその後の労務管理まで一貫してサポートするといった、より高付加価値な特化を実現します。
現代のビジネス環境や個人の生活において、問題は単一の法分野や税務分野に限定されず、複合的に絡み合っていることが一般的です。例えば、会社設立一つをとっても、法務(定款作成)、行政(許認可)、税務(税務署への届出)、労務(社会保険)など多岐にわたる手続きが必要となります。顧客はそれぞれの専門家を探し、個別に依頼する手間を避けたいと考えるため、一貫して対応できる専門家への需要が高まっています。これは、士業が単なる「手続き代行者」から「総合的な課題解決パートナー」へと役割が進化している傾向を示しています。
行政書士事務所や社会保険労務士事務所は数多く存在し、競争が激しい業界です。独立開業を目指す行政書士にとって、単に資格を持っているだけでは仕事が来ない現実があり、自身の強みを明確にし、顧客に選ばれる存在となることが成功の鍵となります。複合資格は、競合との差別化、セールスポイントの増加、市場価値の向上に直接的に貢献し、この強みを構築するための最も直接的かつ強力な手段の一つと言えます。特定の専門分野に特化した事務所が成功している事例も、この差別化戦略の重要性を裏付けています。顧客獲得のためのマーケティングが成功し、顧客から信頼される行政書士が高収益を実現していることからも、顧客からの信頼獲得がビジネス成果に直結するといえます。
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執筆者
行政書士法人TOTAL
徳地 悠一
行政書士。中央大学卒業。
特に医療法人の設立・届出に精通。多様なニーズに応えるべく、きめの細かく満足度の高い技術・専門サービスを目指す。
学生時代に鍛えた体(箱根駅伝に3度出場)で、フットワーク軽く業務に当たる。