キャリアコラム
司法書士業界の繁忙期

司法書士の繁忙期
どの業界にも忙しい時期、いわゆる「繁忙期」が存在します。観光業界であればゴールデンウィークや夏休み、教育業界であれば受験直前期や夏期講習の時期です。繁忙期は各業界の特徴によって異なりますが、司法書士業界の繁忙期は一体いつになるのでしょうか。
結論から言うと、司法書士の繁忙期は業務内容によって違いがあります。今回は、登記業務(不動産、商業・法人)、相続・遺産承継業務、成年後見関係業務に焦点を当てて、司法書士の繁忙期を見ていきましょう。
司法書士の各種業務と繁忙期
不動産登記業務と繁忙期
不動産登記業務は、年度末である3月、4月頃が繁忙期になります。4月になると、進学や就職、人事異動や転勤などがあることから、ライフステージや環境に変化が生じます。これを機に不動産取引が活発になり、不動産業界全体が繁忙期を迎え、それに伴って不動産登記の相談・依頼も多くなります。
また不動産売買が増えることで、司法書士の決済立会業務(不動産売買の安全性を確保するために、司法書士が売買代金の決済現場に立ち会うこと)の件数も増えます。決済を無事に終えるためには、事前準備をしっかり行う必要があります。決済当日も、決済現場へ赴き立会を行い、銀行で書類を受け取り、事務所に戻ってその日のうちに登記の申請をするなど、あちこちを動き回る必要があるため、決済立会業務が重なると非常に忙しくなります。
商業・法人登記業務と繁忙期
商業・法人登記業務の繁忙期は、会社の決算月と密接に関係します。日本では3月を決算月としている会社や法人が多く、これらの会社等は4月から6月の間に定時株主総会や定時社員総会を開催するのが一般的です。定時株主総会等では、役員や事業目的の変更など、会社等にとって重要な決定が行われることも多々あります。これらの理由から、4月から7月頃にかけて商業・法人登記の相談・依頼が多くなり、業務が集中します。
他にも会社設立の場合は、縁起が良い日(大安、一粒万倍日、天赦日など)を設立日にしたいというご希望も多いため、これらの日が近づくと、会社設立関連の業務が多くなることもあります。
相続・遺産承継業務と繁忙期
相続・遺産承継業務は、繁忙期が明確ではありません。政府統計の人口動態調査によると、1年のうち冬(12月~3月頃)に死亡者数が増加するようです。相続は死亡によって発生するため、死亡者数が多い時期が繁忙期になると思われがちですが、死亡者数と繁忙期に特段の相関があるわけではありません。理由としては、相続放棄や不動産の相続登記など、相続関連の各種手続きの期限がばらばらであることや、そもそも相続発生後しばらくは、葬儀や遺品整理などの手続きで忙しく、これらが一段落してからでないと、相談する余裕が無いことが考えられます。
また、親族が集まりやすい年末年始やお盆の時期に、遺産承継や終活について話し合いがなされ、その結果、遺言書作成などのお問い合わせが増えるケースもあります。
成年後見関係業務と繁忙期
成年後見関係業務の繁忙期は、事務所によって異なります。主に忙しくなるタイミングは、成年後見人への就任時、年1回の家庭裁判所への報告時期、半年に1回の公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート(成年後見制度を担う司法書士の団体のこと。)への報告時期です。これらは成年後見人に就任する月によって変わり、また、成年被後見人ごとに決まります。そのため、成年後見人への就任月が集中すると、その分特定の月が繁忙期となります。
この他にも、成年被後見人が契約しているサービスの更新時期や、成年被後見人が亡くなってしまったことで後見が終了した場合など、各成年被後見人それぞれの事情によっても忙しいタイミングが変わってきます。
終わりに
今回は司法書士の繁忙期について、業務の種類別にご紹介しました。どの業務を中心に扱っているかによって、同じ司法書士であっても繁忙期に違いが生じます。また、前述の内容以外にも、月末は忙しいことが多いですし、法改正などの予期せぬことが繁忙期の要素となることもあります。
繁忙期は、「仕事が忙しくて大変な時期」と一般的には考えられます。ですが、裏を返せば、「依頼者の困ったが多くなる時期」と捉えることもできます。国民の権利擁護が司法書士の職責ですので、繁忙期だからこそ、タスク・スケジュール管理を徹底し、確実・丁寧に業務を進めていくことが、司法書士事務所で働くにあたって求められます。
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執筆者
司法書士法人TOTAL
司法書士試験合格者の皆様、司法書士試験受験生の皆様、これから目指そうかお考え中の皆様、司法書士法人TOTALです。
当法人の特徴としては、
<事務所>
事務所は、千葉県船橋市発祥
令和6年9月に丸の内事務所開設
<司法書士資格>
司法書士資格者4名在籍(うち1名未登録)総勢11名(令和6年9月現在)
司法書士受験を奨励・受験生を歓迎しており、現在発表前ですが今年度も複数名受験しています。
実際、受験生から司法書士に合格し、現在事務所の要として活躍している人もいます。
司法書士会の配属研修も、複数回受け入れ実績あります。
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<主要業務>
主要業務は、登記業務
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どちらかに特化している事務所が多いと思いますが、両方それなりの件数を扱っている事務所は少ないのではないかと思います。
<事務所方針>
事務所方針として、きめ細かく、丁寧迅速に高品質なサービスを提供し、信頼される事務所、所員であることをめざしています。
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<メッセージ>
働き方は様々だと思いますが、私たちの事務所ならではの比較的柔軟な対応ができる可能性があります。実務経験を積みたい方は、是非お気軽にお問い合わせください。
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