公認会計士論文合格者の皆さんへ
2010年12月19日/ 高橋
東京都千代田区と千葉県船橋市の税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。
昨日の大原簿記学校での就職説明会には、予想よりはるかにたくさんの方にお越しいただきました。
オープンと同時にうちに一番最初に来ていただいた方も多く、7年前の閑散としたブースを思うと隔世の感で、ホッとしました。
ご応募いただいた方々、ありがとうございました。
仕事と受験・家庭との両立が可能な環境づくりに配慮していること、
税理士の使命である中小企業の発展に寄与するため、
技術と熱意で愚直なまでに努力するスタイルを
評価していただけており、うれしく思います。
ただ、大変恐縮ですが、一度にあまりに多くの方が来ていただきすぎて、短期的に対応に苦慮しているのが実情です。
年末の繁忙期と重なり、いつもなら採用するような方でも、面接すら実施できません(募集自体は通年ですので順次ご連絡等します)。
それにしても、就職難は大変ですね。特に公認会計士論文合格者の未就職問題は深刻で、気の毒です。
開始前から、大原簿記学校のスタッフが、
「公認会計士試験論文式合格者がたくさんお見えになっています。採用予定がない場合はその旨を早めにお伝えください」という告知が繰り返しなされていました。
税理士法人TOTALのブースにも、たくさんの公認会計士論文合格者の方がお見えになりました。
私は、司法試験から税理士試験への転向組で、公認会計士試験の受験経験はないので正確にはわかりませんが、公認会計士試験はいまでもかなりの難関試験なはずです。
早慶卒クラスで特に性格的にも問題のない方が、1900名合格して、1100人も監査法人に就職できないという状況は異常ですし、国家的損失です。
(司法試験にしろ、公認会計士試験にしろ、ポスドク問題にしろ、不必要なまでに合格者や定員を増やしたのが失敗の最大の原因でしょう)
ただ、やはり論文合格者は、できれば監査法人、ダメなら、公認会計士自体をあきらめて上場企業を目指した方が良いように思います。
上場企業を目指す際も、経理・財務にこだわるのは危険です。公認会計士のリストラが進み、実務経験者と上場企業の少ない経理の椅子を争うより、新しいことに柔軟に取り組もうとする姿勢の方が企業に好感をもたれます。会計の勉強をしたことは、営業をする上でも、将来管理者になる上でも役に立つはずです。人生に無駄はありません。
税理士事務所・税理士法人(公認会計士の個人事務所を含む)では、業務補助要件を無理に満たしても、監査業務の十分な経験をすることは難しいでしょう。補習所通いも協力が得られるとは限りません。
(なお、その後、実務要件の緩和が決定されました)
税理士法人TOTALは、元公認会計士試験受験生(短答式合格者を含む)が数名在籍していますが、論文合格者はいません。
今後は是非採用したいと思いますが、公認会計士論文式合格者の方は、税理士業務を中心に業務を行う決心をなさった方に限って採用したいと思います(監査実務要件を満たす方を除く)。腰掛けでとりあえず就職したいのではなく、中長期的に働いてくれる方の募集をお待ちしています。
私は、体を壊したりして官僚になれなかった挫折組(くわしくはこちら)ですが、税理士の仕事が好きですし、後悔はしていません。
もちろん、公認会計士の方や、公認会計士をあきらめて税理士試験に転じる受験生の募集も続けています。
一生懸命努力をして結果を残した論文式合格者の方が、公認会計士論文式「不」合格者よりも上場企業や税理士法人の採用でむしろ不利なのは不合理と感じることと思います。
論文合格者で監査法人に就職できなかった皆さんには、挫折経験を生かして、どの道に進んでも頑張ってほしいものです。
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