女性のセカンドキャリアとしての会計事務所・税理士事務所への転職
2008年10月20日/ 高橋
■年齢35歳 女性 中堅四年制大学経済学部卒
■資 格 日商簿記検定2級、証券アナリスト1次
■新卒後 中堅証券会社で1年間営業
■4年間 新聞社経済部で決算報道のアシスタント
■3年間 証券系コンサルティングでアシスタント
■2年間 株式公開コンサルでコンサル見習い
→業績悪化で解雇
■現 在 派遣社員として外資系証券の投資銀行
部門でアシスタント
→アメリカの大不況で解雇
会計事務所未経験で下記の状況でチャレンジ可能かどうか。
当面はアルバイトで就業できればと考えています。
まずは簿財2科目合格を目指します。事務所でアルバイトしながら勉強すべきか、手っ取り早い派遣で生活費を稼ぎながら合格を目指すべきか、アドバイスいただきたいと存じます。
証券会社、公開支援、外資系と激しく華々しい職歴ですね。
給料が高い分、結果責任を問われ、安定しない働き方でプレッシャーもきつかったことと思います。お疲れ様でした。
セカンドキャリアについては、今後どのような働き方をしたいかだと思います。
(1)時給が高い、外資、大手事務所等華々しい職場を希望する場合
正社員希望なら税理士科目合格が必須になります(できれば法人税か消費税も)。
それまで派遣等で生活費を稼ぐという選択肢もありえます。
ただし、個人的にはあまりお勧めできません。
働きながらだと、35歳という年齢を考えると
税法科目はもちろん、簿財でも必ずしも楽ではありません。
合格まで時間がかかるようなら、華々しい会社ほど仕事がきついので年齢制限が事実上存在するでしょう。
(2)事務スタッフとして入社する場合
これが可能なら良いかもしれません。
最初の給料は高くないかもしれませんが仕事さえ出来れば給与も上がるだろうし、仕事の幅も広がっていくでしょう。
この場合、無理にアルバイトで税理士試験を受験するよりもやすこ様の場合は、ある程度の時間を仕事にあてて業務を覚えることが望ましいでしょう。
会計事務所の仕事は、地味ですが、熟練の職人仕事という側面があり、若いうちに作業を体で覚えておく必要があります。年齢的な猶予はほとんどありません。
もちろん、勉強は生涯必要ですし、余裕を見て受験をすることはすばらしいです。
ただ、どうしても税理士になりたい、独立するんだという場合を除き、女性のセカンドキャリアとして考えると受験を意識しすぎる必要ははないように思います。
思っているよりも35歳からの税理士合格は大変です。
女性の場合、会計事務所は
営業ノルマも、急な対応も少なく、時間も比較的融通が利きます。
家庭と仕事の両立がしやすい職場です。
他の業界出身の方でも出産後等の再就職に向いています。
ただし、欠点は
①中小企業なので所長によってまったく職場環境が違うこと
やすこ様の場合、きちんと就職先を選ばないと、環境の変化になじめず
会計事務所の悪いところに目が行き過ぎる危険性があります。
良い事務所かどうかでスタッフの質も違います。
(当税理士法人の場合、独身女性の社内恋愛・結婚率は高いです)
②所長が高齢で後継者がいない場合は将来の保証がないこと
所長が50代以上の事務所は比較的給与水準は高いのですが
業務の標準化が遅れているため、高齢になると同業への転職は困難です。
若いうちは事務所を移ることも可能ですが、
35歳を過ぎると「就職」というよりは「就社」になります。
③最初のうちの給料は安いこと
少しづつあがっていくので長く勤める場合は高額ではないが標準的。
事務所でアルバイトしながら勉強すべきか、
手っ取り早い派遣で生活費を稼ぎながら合格を目指すべきか
というご質問と回答がずれていますね。
私見は、35歳、女性、未経験の場合
派遣は会計業界で長く働くつもりならやめた方が良いでしょう。
それよりは事務所のアルバイトの方が良いですが
できれば、事務職員でも正社員かフルに近い時間働いて
まずは仕事を覚えて状況しだいで受験することをお勧めします。
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