官公署出身者の税理士への転身
2009年07月22日/ 高橋
K様よりの質問です。
■年齢:35歳
■性別:男
■資格 簿記2級 税理士合格科目:必須税法1科目 その他会計科目について受験経験あり
■職歴 官公署 10年超
■学歴 大学卒(関関同立)
■会計事務所経験 無
■居住地 東京 都市圏
■その他、特殊事情
現在、公務員として働いていますが、どうしても会計事務所で働きたいと考えております。
Q1.会計事務所で正社員として採用の可能性はあるのでしょうか。
Q2.貴社で働きたいとも思うのですが、面接はしていただけるのでしょうか。
Q3.現在、私は官公署で勤務しているという事情があるので、職場には秘密にしていただきたいのですが、可能でしょうか。
A1.
公務員の仕事は安定した収入・地位が保証され、われわれ民間からするとうらやましい面も多いものです。
民間は競争にさらされます。仕事は納期、品質、コスト意識、サービス精神が求められ、専門知識だけでなく、コミュニケーションスキルがないと組織にもいられません。まして、開業となると腕一本、実力しだいの世界です。
税理士法人TOTALでも元公務員の方を採用しましたが、彼の場合は、強い向上心が組織の中でうまく生かせないもどかしさが転職理由だったようです。押し出されるような転職ではうまく行かないかもしれません。
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税理士になるには、税理士試験に5科目合格する以外にも一部科目免除をする方法もあります。
その中には官公署の職務経歴による科目免除があります。
税務署はもとより、県税事務所、市役所の場合も部署によっては10年~28年の職務経歴を元に科目免除になることがあります。税務署の場合ですと23年の勤務で税理士有資格者になります。
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K様がどこまで免除が可能かでも評価が変わるでしょう。
税法免除なら正社員に採用されやすいでしょう。
(その分の税理士試験受験が必要ないことにより
仕事との両立のリスクが少なくなるからです。)
自力で全科目を合格する必要がある場合、
(免除を待って、時間を失うのをさけて)
職歴によってはある程度生きるのでプラス評価で、採用する事務所もあると思います。ただ、現職の仕事が高給かつ安定しているだけに税理士になれないかもしれないリスクをどう考えるか、試験の合格状況と転職時期をさぐることになるのでしょう。
A2.
税理士法人TOTALへの採用基準についてはご質問にお答えしておりません。採用基準そのものが流動的であり、かつ企業戦略そのものであることをご理解いただければと思います。
採用に関する情報は税理士法人TOTALのサイトの採用ページでご確認ください。じっくりご覧いただいてよろしければ、履歴書等を郵送してください。
なお、当事務所は書類審査と面接の2段階で選抜を行っています。
A3.
税理士はお客様に対しては守秘義務を負う職業ですし、信用が第一です。
特に理由がなく、個人情報を漏らしたら問題です。もちろん秘密を守ります。
税理士法人TOTALでは定年退官の元税務署職員の税理士の先生に書類内容の確認をお願いしています。私たちとは違う視点で見ていただけるので助かっています。
最近では、従来に比べて、官公署出身の若い方の税理士への転身はだいぶ減ってきたようです。東京国税局の中堅の方と話した際も独立してお客様を獲得できないリスクを心配しておられました。
そのかわりに、再雇用(定年延長?)された、元統括官(民間企業の課長級ポスト)の方の税務調査が増えてきました。
昔取った杵柄で、結構鋭い方も多いですね。
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