税理士試験の受験と出産

2011年02月11日高橋

東京都と千葉県の税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。

 

お問い合わせに対する回答が遅くなりました。すみません。

 

確定申告時期になり、当法人もスタッフが忙しく頑張ってくれています。
税理士法人TOTALでは、お客様の安定した増加により随時スタッフを募集しています。
勉強の進んだ方、実務経験がある方のご応募お待ちしています。

 

ご質問はこちらをクリックしてください。

 

T様からのお問合せです。
内容:
■年齢 27歳
■性別 女性
■資格 2級FP技能士(AFP)
■職歴 営業職(正社員 新卒2年間)
     カフェスタッフ(アルバイト 1年間)
     不動産鑑定士事務所 総合職(正社員 半年間)
■学歴 東京近郊中堅私大(理系) ←幅が広い表現なのでもう少し限定できると助かります。
■会計事務所経験 なし
■居住地 関東
■その他特記事項 なし

 

Q.
はじめまして。
1歳4ヶ月の息子を持つ専業主婦をしております。
子育ての傍ら2級FP技能士検定に合格し、そこからのステップアップとして税理士受験を考えています。
2人目の子供が欲しい事や経済的な理由もあり、次のようなプランを考えています。

 

(1) プラン1
独学で勉強を始め、1年後を目安に2人目を出産。
2人目が1歳になる頃、保育園を利用し週に数回のアルバイトをしながら専門学校に通い勉強を進める。
アルバイトは学費と保育料の足しにする為です。
合格に4年程要すると考えて、合格時年齢は33歳。

 

(2) プラン2
すぐにアルバイトをしながら専門学校に通い始め、先に試験に合格してから2人目を出産。1歳到達時を目安に就職活動を始める。
合格に4年程要すると考えて、合格時年齢は31歳。
就職活動を始めるのは32~33歳頃。

 

以上のプランについての質問です。

 

1.どちらのプランを選択した方が懸命でしょうか。
  このようなプランで試験合格を目指す事は可能でしょうか。

 

2.試験合格に達するであろう年齢で、未経験での会計事務所就職は厳しいでしょうか。
  (インターネットで調べたところ、厳しいとの意見も見受けられました。)

 

3.アルバイトをする場合は、高時給の仕事を選び勉強時間を多く確保するよりも、
会計事務所の事務などの仕事を選択した方が就職の際に有利でしょうか。

 

アドバイス頂けたら幸いです。

 

A.1
我が家には2人の子供がいます。妻は、第1子出産後に受験勉強を始め、2人目の子供の出産後に司法書士になってくれました。子供と過ごす生活は楽しいですし、頑張ってくれた妻には非常に感謝しています。

 

子育てにはお金もかかりますし、キャリアプランは重要ですが
子供は授かりもので、何ものにもかえがたいし、計画通りに行かないこともありますので、
あまりどちらが良いとは言いにくいところがあります。

 

しいてこの2つの案にコメントするとするなら

 

(1)プラン1
「独学で勉強をはじめ」は、簿記2級くらいまでは可能ですが
税理士試験の受験では、税法はもちろん、簿記論、財務諸表論もなかなか難しいでしょう。
専門学校に通わない場合でも(通信ならなんとかなると思いますが)、専門学校の資料や模試等をうまく利用しないと厳しいかもしれません。
また、2人の子育てをしながら4年で合格するのはかなりの大成功ですし、夫の相当な協力が必要です。

 

(2)プラン2
税理士試験は長丁場です。最後の方はかなり精神的につらくなりますし、なかなか計画通りにはいかないものです。
税理士法人TOTALのスタッフの場合でも、私も含めて税理士になるのに5年~7年かかっています。
平均して10年近くかかるというのはあながちおおげさではありません。
「1年1科目ずつ無理なく合格 5年で楽々税理士になれる」というのは専門学校の誇大広告だと思ってください。
4科目持ちで、今年合格すれば4年目というスタッフがいますが、2年間は受験専念でした。
 税理士試験は、あきらめずに努力を続けられる人にはいつか合格できる試験です。
ただし、短期の合格は容易ではありません。
合格後に第2子出産ということですが、子供を何歳のときに授かるかは神のみぞ知るという面もあります。
第2子が授かれなかった場合、後悔することになるかもしれません。
あまり、受験と出産を長期にリンクさせることはお勧めできません。

 

A.2
女性の場合は、30代前半までなら就職はそれほど難しくないと思います。
ただし、T様の場合、おそらく出産等の関係でやむを得なかったのだと思いますが短期の転職歴があるので、もしかしたら税理士試験の最終合格前にアルバイトででも入社した方が良いかもしれません。
なお、男性の場合、30代の未経験者の場合、税理士試験合格後ではかえってかなり就職が厳しいでしょう。
腰掛けで、いつ辞めるかわからない使いにくい人という評価になるからです。
3科目合格後には就職する方が良いでしょう。

 

A.3
会計事務所の就職なら、アルバイトでも会計事務所経験があった方が圧倒的に有利です。専門職ですから、他の事務系のアルバイトはそれほど評価しません。
ただ、会計事務所のアルバイトは時給がそれほど高くないことが多く、悩ましいところです。

 

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税理士法人TOTALでは、現在も育児休業中の方が6名、来月も新たに一人産休に入ります。
女性の場合は、家庭(家事・育児)と仕事の両立が大変ですが、
うちの女性スタッフの場合、子育て中の主婦が実に7割、そのうち有資格者と受験生がそれぞれ3割くらいいます。
数字にしてみると、あらためて素晴らしいスタッフに恵まれていることを実感します。
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この記事の執筆者

高橋 寿克

税理士法人TOTAL 代表社員税理士 高橋 寿克

千葉県船橋市生まれ。農家の12代目。税理士・行政書士・CFP®・医業経営コンサルタント。
開成高校、早稲田大学政治経済学部卒。
1999年 高橋寿克税理士事務所を開設。現在は全国16拠点に拡大したTOTAL Groupの代表として、税理士法人をはじめ、司法書士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人を擁する。
徹底した業務の標準化やクラウドシステム(マネーフォワード、freee)活用で業務効率化を推進。「あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい」を理念に日本一の総合士業事務所を目指している。

TOTALグループでは一年を通して採用活動を行っています

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