40代・異業種からの会計事務所・税理士への転進

2008年12月26日高橋

■年齢 46歳
■性別 男性
■資格 退職後2年間専念予定
■職歴 証券会社に20年勤め、この12月に退職する予定
■会計事務所経験 なし

 

Q、仮に、順調に試験に合格できたとしても50才近い年齢で、しかも実務経験をそれから積んで、資格取得をしようとする者に、就職先が見つかる可能性があるのか?という不安もあります。お忙しい中、恐縮ではございますが、仮に3科目以上の試験に合格しているとして、年齢と経験を考慮した上で、就職先があるとお考えかどうか?

 

A、率直に言って楽ではないと思います。本当は、まだ退職していないのなら止めたいくらいです。
税理士は専門職なので、かなり知識の蓄積が必要です。どの仕事もそうだとは思いますが、
近年、求められる業務水準がかなり上がっており、若くして業界に入った人との競争はつらいでしょう。
通常、業務を覚えるのに30代でも5年近くかかります。
(うちでは2年で覚えてもらうのを目標にしていますが)

もっとも、そんなことは百も承知でしょうし、年齢からするとよほどの覚悟がおありのことと存じます。

 

物覚えが良い、スピードがある若者に勝つには

①高い人的魅力、ポテンシャルがある。これを履歴書や面接でアピールする。
(言うのは簡単ですが実際には難しいかもしれません)

 

②条件が悪いのを2年間我慢する。離職率が高く、零細事務所は良い人材が取りにくくなっています。
給与水準、社会保険等の待遇に目をつぶり、意欲をアピールすれば
一部の事務所は採用するかもしれません。

 

③過去の経歴を評価してくれる事務所をさがす。
この業界は専門職のため、普通は比較的、異業種の職歴を評価しません。
ただ、中堅の税理士法人で、営業員が欲しいと思っているところはあるでしょう。
この場合、証券業界で培ったコミュニケーション能力、営業能力は(場合によってはマネジメント能力も)
中小企業の社長さんや資産家には有効でしょう。

 

当税理士法人にも50歳の新入社員の方がいるのですが40代後半で未経験だったので、最初の事務所に雇ってもらうのは相当大変だったと言っておられました。
覚悟が決まっていないなら、証券業界に残ることをお勧めします。
税理士試験はかなりの難関です。迷いが大きいと合格しにくいです。
途中で投げ出したら、男性には良い仕事とは思いません。
やりきる決意が固いなら、是非がんばってください。
この仕事はお客様との利益相反もなく、感謝されますし、何より面白いですよ。

 

この記事の執筆者

高橋 寿克

税理士法人TOTAL 代表社員税理士 高橋 寿克

千葉県船橋市生まれ。農家の12代目。税理士・行政書士・CFP®・医業経営コンサルタント。
開成高校、早稲田大学政治経済学部卒。
1999年 高橋寿克税理士事務所を開設。現在は全国16拠点に拡大したTOTAL Groupの代表として、税理士法人をはじめ、司法書士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人を擁する。
徹底した業務の標準化やクラウドシステム(マネーフォワード、freee)活用で業務効率化を推進。「あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい」を理念に日本一の総合士業事務所を目指している。

TOTALグループでは一年を通して採用活動を行っています

コメントを投稿する

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントは管理者の承認後に反映されます

この記事の目次

最新情報はこちらから

Official X

関連記事

たるぞー

相談・質問の募集

皆様の士業業界のキャリアに関するご相談をお待ちしています。
年齢・経験問わず、こちらのフォームよりお気軽にご送信ください。

その他のコンテンツ