未経験者はつらいよ~経験者限定・優遇~
2013年09月11日/ 高橋
一人で仕事が完結することが多かった税理士事務所・会計事務所の業務は、それゆえ、「未経験者」の生産性が低く初年度は200万円程度しか付加価値を生みません。
余裕のない事務所で極端な場合、年収200万円程度しか支払えません。 (うちでは初年度年収300万円~350万円くらいです。多くの会計事務所は入社当初2年くらいは持ち出しです)
税理士が主宰の事務所・公認会計士が主宰の事務所・税理士法人で給与水準に大きな違いは見られません。やっている仕事が同じため、付加価値があまり違わないからです。 強いて言えば、税理士法人は一定の規模があるため劣悪なレベルの低給与はないでしょう。 また、業種特化した会計事務所・税理士法人の方が給与は高いでしょう。 (業種特化事務所は、将来の可能性は限定されるので未経験者にはお勧めしません) なお、より詳しくは >> 税理士事務所・会計事務所の給与水準
税理士事務所・会計事務所は大規模な事務所は少なく、 一般的に教育制度が整備されていません。
また、職員の定着率が低く、せっかく教育しても中堅・大手でも3年以内に辞められることも多いのです。 だから中堅・大手税理士法人でも新卒を採用しないこともあります。
未経験者の採用は、会計事務所にとってリスクが大きすぎて儲からないのです。 手間ヒマかけて、社会人経験・会計事務所経験のない人を育てることをする&出来る事務所は あまりなかったといっていいでしょう。
経験者限定・経験者優遇の税理士事務所が多いのは当然でしょう。
(最近では人不足で、未経験者や新卒の採用が徐々に増えています)
未経験者の場合
人柄や素直さ、合格科目 (目安として簿記論・財務諸表論の科目合格など)、年齢によらない賃金など、高いハードルが待ち構えています。
つらいですねぇ
私自身は未経験者の採用・育成が使命だと思っており、うちは未経験者歓迎ですが、それでも 最低3年、できれば5年働いてくれる意思と能力を持った人でないと採用しません。
ところで、「未経験者歓迎」には次のようなパターンがあります。
1 零細事務所
給与水準・職場環境から未経験者しか採用できない。 (それでも派遣業務よりは、はるかに良いと思いますよ)
2 中堅事務所
①人手不足対策 経験者が望ましいが、未経験でもやむを得ないというケースです。 ②総務・パンチャー要員 ③経験者よりむしろ未経験者の方がいいと考えている場合 会計事務所の経験者・転職者にはクセがある人が多いので教育ができる事務所なら未経験者の方が良いというケースもあります。 ただし、人柄、学歴、受験合格歴、社会人経験で選抜されますので留意して下さい。
3 大手事務所
①派遣要員
経理事務の派遣です。これは、求人情報ではわかりにくいので 受験生は注意して下さい。税理士としてはキャリアになりません。
②総務・パンチャー要員 女性のいわゆる一般職です。
税理士業界未経験者で、職歴・学歴等で自分にあまり自信のない方は
・税理士試験に2~3科目合格してから良い事務所に入るか、
・まずは零細事務所でも就職して、合わなければ2~3年後に転職する
のが良いでしょう。
安易に大手税理士法人の派遣の仕事(名称は「正社員」もあり)について、すぐに嫌になって他の業界へ行く方が多く、非常に残念に思います。
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