女性の結婚・出産と会計事務所への就職・税理士試験
2009年09月10日/ 高橋
東京都と千葉県の税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。
N様よりのご質問です。
■年齢 28歳
■性別 女性
■資格 日商簿記検定3級、財表合格、
簿記論、消費税法結果待ち
現在法人税法勉強中
■職歴 信用金庫の子会社勤務中(5年半)
■学歴 東京近郊大学
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京都多摩地区
■その他、特殊事情
今年の結果次第で、来年3月に現在の職場を退職し、
4ヶ月専念してとにかく3科目揃えて会計事務所に転職しようかと考え始めているのですが、新卒で今の会社に入り、一般事務しか経験がないもで、少々不安です。
スキルと呼べるものは、最低限のビジネスマナーとパソコンくらいです。
近々入籍も考えているのですが、勉強と新婚生活との両立もできるものなのかと悩んでいます。
Q.1
このような寂しい経歴と資格で、会計事務所の転職は可能ですか?
Q.2
・全科目合格するまで、現在の会社に勤務し、それから会計事務所への転職を考える。
(現在の会社は予備校のすぐ近くで、残業もほとんどないため、勉強はしやすい環境です。)
・3科目合格したら、会計事務所に転職し、実務経験を積みながら勉強を継続する。
どちらの方が現実的でしょうか。
Q.3
結婚をするとしたら、全科目合格してから子供を産んだ方が宜しいのでしょうか。
それとも本気で税理士資格をとるつもりなら、今この段階では結婚はすべきでないでしょうか。
A.1
多くの事務所は、可能です。
金融機関で一般事務をしてきた女性は、社会人マナーがしっかりしていて、身元も堅く、事務が標準以上に出来るという評価を受けるでしょう。
BIG4等の大会計事務所以外は面接まで行くことが多いでしょうし、中堅クラスまでのどこかの会計事務所に決まるでしょう。
ただし、リーマンショック以後、採用枠が全体に狭いので、欠員補充や経験者優遇の場合もあるので、応募のタイミングによって採用しない事務所もあるでしょう。8月と12月は採用シーズンなので、科目合格をしていればより有利になります。
A.2
ご結婚の予定もあるとのことですから、出産・子育てもありえます。女性の場合は、家事・育児との両立がしやすい環境を選ぶ方が良いと思います。
今の職場は勉強には適しているとのことなので、産休・育児休暇は取りやすく、時短勤務等、育児もしやすそうなら、今の職場の方が良いと思います。
現職が、育児に適さない場合、会計事務所に育児のタイミングで転職してもいいと思います。
気をつけていただきたいのは、会計事務所は、規模が小さく中小企業・個人商店的要素が多く、所長の考え方で労働環境がぜんぜん違うと言うことです。ホームページでじっくり調べて(人員構成を見れば想像できますよね)、面接の際にはよく聞いてみましょう。
==========================
税理士法人TOTALは、今年も出産ラッシュです。ただ今、育休中3名、妊娠中2名。少子高齢化はうちの事務所には関係ないようです。
==========================
なお、会計事務所への転職は30代前半までの方が良いでしょう。仕事を覚えるのにはやはり、若い方が有利です。
記帳代行等、単純業務もあるので、女性のパート需要も多く、女性にとっては子育てとの両立が可能なケースも多いでしょう(給与はあまり高くないのは弱点ですが)
A.3
入籍予定もあるとのこと、おめでとうございます。
==========================
税理士法人TOTALでは今週末は3組目の社内結婚があります。来年はじめにも、スタッフの結婚の予定があります。結婚ラッシュはうれしいのですが、私は結婚式のスピーチは大の苦手です。
==========================
私は、好きな人と結婚し、子供を授かることはすばらしいことだと思います。仕事や勉強と同じか、それ以上に人生にとって素敵なことだと感じています。女性にとってはなおさらでしょう。
機会に恵まれるなら、ぜひ、結婚して、子供を授かって欲しいと思います。社長さんの多くは結婚して子供もいます。また、子供に教えられることも多いです。子育て経験があることは、人間の幅を広げ、税理士として仕事をする上でも大いに役立ちます。
両立は楽ではありませんが、地道に、あきらめずに勉強すれば税理士試験はいつか合格できます。ある程度タイミングを計ることはあるかもしれませんが子育てや、ましてや結婚をあきらめる必要など全くないと思います。
コメントは管理者の承認後に反映されます