大学生の会計事務所への就職と税理士資格

2019年06月02日高橋

税理士事務所就職相談室の税理士 高橋寿克です。

 

「大学生の会計事務所への就職と税理士資格」

 

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ひろびよ様からのご質問です。

■年齢 19歳
■性別 男性
■資格 簿記3級
■職歴 なし
■学歴 日東駒専 在学中
■会計事務所経験 なし
■居住地 千葉
はじめまして 大変恐縮ではございますが質問させていただきます。
現在大学二年で経済、経営を学んでおります。

Q.1
現在税理士事務所でのインターンもしくはアルバイトを検討しているのですが、簿記は二級まで取ってからの方がいいのでしょうか?

 

Q.2
税理士事務所で働きたいと考えた最も大きな理由が、多くの企業で導入されているジョブローテーションと転勤が嫌なためです。
これを回避できる業界、職種を検討した中で税理士に行き着いたのですが、税理士事務所ではなにがなんでも税理士資格を取得する、という強い意思がない場合働き続けるのは難しいでしょうか?

 

Q.3
税理士の資格、もしくは科目合格しかない場合、定年まで働き続けることは難しいでしょうか?
また、税理士資格がない場合とある場合では年収はどのように上がっていくのでしょうか?
一般企業と同じように昇給やボーナスはあるのでしょうか?
(営業やマネジメントなど税理士業務以外を行っていくことも考えております)

 

Q.4
在学中にインターンすることによって新卒時での就職は有利になりますでしょうか?

以上の4点質問させていただきました。よろしくお願いします。

 

A.1

会計事務所で働くにあたり、一般的には

簿記3級はあった方が良い。

簿記2級はあってもなくても。

簿記1級は必要としない。

基礎学力が低かったり、年齢が高い場合は簿記2級があった方が良いでしょうが、学歴が日東駒専レベルなら簿記2級までは勉強すれば合格します。

ひろびよ様は持っておられますが、簿記3級を勉強をされていない方の場合は、勉強してもらうでしょう。

 

A.2

70歳まで働いてもらうように企業に努力義務が課される法律が作られることになるようです。今後も高齢化が進み、70歳以上まで働く社会になると、50代後半以降はゼネラリスト(総合職)よりもスペシャリスト(専門職)の方が経験が生かせるので有利でしょう。

また、結婚や子育て、親の介護を考えると、転勤がないのも魅力になります(グローバル化した中でそれで日本経済が大丈夫なのかという心配はありますが)。

地域に密着し、経験が生かせる専門職である税理士の魅力は高齢化社会でこそ増すのかもしれません。

 

受験しない男性が働き続けるのは可能です。今後は普通かもしれません。

以前は、会計事務所の男性職員は、税理士を取るまでの修行、丁稚奉公的な要素がありました。

最近では、そもそも男性受験生が激減しており、受験生だけでは現場が回せなくなってきています。

このため、受験をしない、受験をあきらめた男性正社員が増えています。多くの会計事務所はそうした人で回し始めています。

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税理士法人TOTALでも、以前は男性は有資格者以外は全員受験生でした。

最近では受験をしない、受験をあきらめた男性社員が増えてきました。

女性は、以前から受験する方もしない方もおられます。

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A.3

会計事務所も一部の大手による寡占化、大型化が進んでいます。

大型事務所なら税理士の資格、もしくは科目合格すらなくても、定年まで働き続けることは普通です。

零細会計事務所の場合は、所長税理士の高齢化に伴い、廃業や売却リスクが上がります。勤務していた会計事務所がM&Aで売却された場合、従来から働いていた労働者・職員は新しい事務所になじめずにリストラに合い辞めることが多いのは、一般事業会社のM&Aの場合と同様です。

定年までいようと思うなら零細会計事務所はやめるか、早めに転職した方が良いでしょう。

会計事務所の年収は、最近では年功序列ではなく成果主義的になってきています。この傾向はますます強くなるでしょう。

自分が担当する売上をベースにして、どこまで生産したり作業者を使うかで調整する形が普通です。

直近の成果に応じて、昇給やボーナス支給がなされます。最初は安かった給与も勤続年数が伸び、成果が上がってくると高原上に上がっていきます。

事務所によっては適材適所で人事を行い、無資格者にも営業(新規開拓、保険等)やマネジメント(役職)の手当もつけるでしょう。

ただ、税理士にならないと、税理士法人の役員(パートナー)になることはできません。無資格者に会計法人(記帳等の運営会社)の役員にしているケースはあります。

また、営業の一部は無資格者よりも税理士の方が有利な場面もあります。

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税理士法人TOTALでは、マネージャーは無資格者が男女とも大勢います。

営業、企画、教育、インストラクター等も資格の有無にかかわらず、適性を見て行っていただいています。

ただ、上場企業に依頼されるセミナー講師等で信用が重視されるものは、資格が必須になります。

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A.4

その会計事務所でインターンをすると大学卒業時には即戦力になるので当然有利になります。
また、他の会計事務所のインターンでも、会計事務所経験者になるので新卒時での就職は有利になります。

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税理士法人TOTALでも、大学生のインターンを募集しています。パートとして有給で働いてもらっています。

大学の授業・試験や旅行には当然ですが配慮いたします。

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この記事の執筆者

高橋 寿克

税理士法人TOTAL 代表社員税理士 高橋 寿克

千葉県船橋市生まれ。農家の12代目。税理士・行政書士・CFP®・医業経営コンサルタント。
開成高校、早稲田大学政治経済学部卒。
1999年 高橋寿克税理士事務所を開設。現在は全国16拠点に拡大したTOTAL Groupの代表として、税理士法人をはじめ、司法書士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人を擁する。
徹底した業務の標準化やクラウドシステム(マネーフォワード、freee)活用で業務効率化を推進。「あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい」を理念に日本一の総合士業事務所を目指している。

TOTALグループでは一年を通して採用活動を行っています

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