10代の会計事務所勤務希望者からのご質問
2019年04月30日/ 高橋
税理士事務所就職相談室の税理士 高橋寿克です。
「10代の会計事務所勤務希望者からのご質問」
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ツン様からのご質問です。
■年齢 19歳
■性別 男性
■資格 簿記3級 合格
■職歴 なし
■学歴 短期大学
■会計事務所経験 なし
■居住地 東北
はじめまして たいへん恐縮ですが質問させていただきます。
Q.1
税理士事務所の入社直後の業務内容はなんですか。(新卒)
Q.2
税理士事務所で働きながら簿記の勉強をすることは可能でしょうか
Q.3
簿記2級の資格がないと働くことは難しいのでしょうか。
Q.4
税理士事務所の仕事内容に挫折して退職した場合、
以上の4点質問致しました。よろしくお願いします。
A.1
新卒の方も、既卒で未経験の方も 会計事務所の場合は入社直後にする仕事に大きな差はありません。
しいて言えば、新卒の方の場合、ビジネスマナーの研修を受けてもらう会計事務所はあると思います。
領収書のファイリング、コピー取り、スキャニングといった業務に始まり、
会計ソフトの入力、文書(WORD、EXCEL等)の作成
法人税申告書の内訳書作成、そして別表作成へと進みます。
その中で、
お客様の来所に同席し、
お客様訪問に同行し、
お客様に電話やメールをし、
その後、いずれ一人でお客様を担当することになります。
(女性にはお客様を担当させない会計事務所、所長税理士以外は担当しない税理士事務所もあります)
このスピード、言い換えると入社直後にどこまでやるかは会計事務所によって全く違っています。
女性には10年間も、原始資料のファイリングと会計入力しかさせない事務所もあります。
逆に、(新卒ではありませんでしたが)社会人経験が全くなかった私は、入社月から15社くらい担当して前任の引継ぎをしました。
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税理士法人TOTALでは、入社当初は、会計や税務の社内研修を動画や録音で受けて学んでもらいます。
組織的に動いているので、スケジュール管理・情報共有のためのグループ・ウェアの使い方も覚えてもらいます。
電子文書やテレビ電話も使います。
人によっては外部のマナー研修を受けていただきます。
入社3か月以内には、会計ソフトの入力はもちろん、法人税申告書も簡単な会社の分を作成していただきます。
(他の会計事務所よりも相当早いスケジュールだと思いますが、早く全体像をつかんだ方が仕事がわかりやすいと考えています。なお、業務の標準化と教育ツールの発達によって税理士試験を受験していないスタッフでもそれほど負担を感じずにこなすことができます)
会計・税法の勉強が進んでいる方は、入社直後から担当を持ってお客様訪問や来客対応をしてもらうこともあります。
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A.2
働きながら簿記の勉強をすることは可能です。簿記2級くらいなら全く問題ないでしょう。
簿記1級は、最近では難易度が上がっていますが工業簿記の原価計算は会計事務所では重視されないので、税理士試験の受験資格がない人を除くとあまり推奨されないでしょう。
A.3
ツン様のように簿記3級があれば、簿記2級がなくても働くことは難しくありません。
入社時点であれば、簿記2級は(簿記3級よりは)多少評価されるという程度です。
簿記の試験は以前よりはやや難易度が上がっています。
日常業務は簿記3級の知識で足ります。不明点は仕事をする上で学んでいくことになります。実際は税法や社会全般の勉強の方が大変です。
A.4
企業の経理に転職するなら簿記の資格を生かせます。
中小企業の経理なら簿記の資格と会計事務所の経験が数年あれば勝負になるでしょう。ただし、経理は中小企業の場合、欠員の補充採用なのでいつも応募しているわけではありません。
大企業の場合は、簿記1級(税理士試験の科目合格がない場合)と高い学歴を求められるかもしれません。
簿記はビジネスマンの共通言語という側面もあります。企画や管理系の職種はもちろん、営業マン等の他のフィールドで働く場合でも知っていて役に立つ知識ではあると思います。
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