キャリアコラム

第4回:合格した私が「一度だけ本気でやめようとした時」

司法書士試験の不合格が続くあなたへ。「撤退」を考える前に伝えたいこと【第4回/全5回】

どれほど強い動機があっても、不合格の通知を見るたびに、心はすり減っていくものです。

前職の飲食店で働きながら受験を続けていた頃、なかなか成績が伸びず、合格レベルに達しない日々が続いていました。そんな中で迎えた、ある年の合格発表。画面に自分の番号が無いことを知ったとき、私の心の糸はプツンと切れました。

「もう試験勉強は終わりにして、別の道を進もう」

本気でそう思いました。家族や周囲も、私のボロボロな姿を見て「司法書士試験をあきらめたって誰も責めないよ。やり直せなくなる年齢になる前に撤退したほうがいい」と言ってくれました。それは間違いなく私のことを思っての優しさでした。

けれど、その優しさを受け入れようとしたとき、言葉に表せないほどの絶望感が押し寄せてきたのです。「今まで私が投げうってきた時間のすべてが、無駄になるんだ」と。

「いい人生だった」と思える場所は、どこか

受験をやめるとなれば、一般企業への就職を考えることになります。(このまま飲食店で勤務し続けるつもりはありませんでした)

もちろん、社会を豊かにするために企業で働く人を否定するつもりはまったくありません。

ただ、利益の追求や効率が重視されがちなビジネスの世界において、自分が本当に情熱を傾けられるだろうか、と考えました。そう思ったとき、自分の心の中にある思いと、日々の仕事との間にどうしてもズレを感じてしまい、そんな世界でこれから先も自分が働く姿が想像できませんでした。

私は幼少期から「困っている人を助けたい」という気持ちが強く、学生時代にはボランティア組織を立ち上げて募金活動やデイサービス訪問などをしていました。しかし、社会にもまれ、受験生活が長引くうちに、心はすっかりすさみ、学生時代の気持ちを見失いかけていたのです。

私の目を覚まさせた、伯父の言葉

そんな迷いの中にいた私を救ってくれたのは、伯父の言葉でした。試験をあきらめようとする私に、伯父はこう言ったのです。

「一般企業で働くことに反対はしない。だけど、今までのお前を見てきた俺からすると、本当にやりたい仕事は司法書士なんじゃないのか?」「ほかの道でもやり直しはできる。だけど、自分が本当にやりたい仕事じゃないと、人より頑張ることはできない。人より頑張らなくちゃ(今まで遅れた分を)追いつくことはできない。世の中そんなに甘くないぞ」

その言葉が、私の心の奥底に沈んでいた「原点」を激しく揺り動かしました。

社会にもまれ、受験生活が長引くことによってすさんでいたはずの「社会に貢献したい、困っている人を法律の力で助けたい」というあの強い想いが、一気に蘇ってきたのです。

あきらめることは、「なりたかった自分」を捨てること

そのとき、ようやく気づきました。「あきらめる」ということは、単に試験をやめることではなく、自分が心から望んだ「なりたかった自分」を捨てることなんだ、と。

そう気づいた瞬間、司法書士になりたいという気持ちが抑えられなくなりました。これまでの月日をただの『後悔』として捉えるのをやめ、「自分が納得できる人生を歩むために、絶対に司法書士になる」という強い思いが心の底から湧き上がってきました。

情けないくらい、ひたすら涙が止まりませんでした。けれどその涙は、諦めるための涙ではなく、もう一度前を向くための涙でした。

私はその日、もう一度だけ、自分の意志で再チャレンジすることを決めました。

――そして、長かった暗闇の果てに、ついに「その日」はやってきました。

連載の最終回となる次回は、合格を知った瞬間の気持ち、そして司法書士として歩み始めた今、あの過酷だった受験生活を振り返って心から感じていることをお話しします。

最終回、『時間はかかったけれど、合格した今だから言えること』

いま、かつての私と同じ暗闇の中で、必死にペンを握っているあなたへ。最後のメッセージを届けます。最後までお付き合いいただければ幸いです。

<連載記事の予定>
第1回:「あきらめられない」のは、本気で戦ってきた証
第2回:なぜ「あと1年」がこれほど重いのか
第3回:あきらめる基準、あきらめない基準
第4回:合格した私が「一度だけ本気でやめようとした時」(当記事)
第5回:時間はかかったけれど、合格した今だから言えること

※内容・タイトルは変更になる可能性があります


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司法書士法人TOTALでは、皆様のご応募をお待ちしております。


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執筆者

司法書士法人TOTAL

司法書士試験合格者の皆様、司法書士試験受験生の皆様、これから目指そうかお考え中の皆様、司法書士法人TOTALです。

当法人の特徴としては、

<事務所>
事務所は、千葉県船橋市発祥
令和6年9月に丸の内事務所開設

<司法書士資格>
司法書士資格者4名在籍(うち1名未登録)総勢11名(令和6年9月現在)
司法書士受験を奨励・受験生を歓迎しており、現在発表前ですが今年度も複数名受験しています。
実際、受験生から司法書士に合格し、現在事務所の要として活躍している人もいます。
司法書士会の配属研修も、複数回受け入れ実績あります。
司法書士試験以外にも、行政書士試験、土地家屋調査士試験に挑戦するなど勉強熱心な人が多いです。もちろん一般事務が得意な方も歓迎です!

<主要業務>
主要業務は、登記業務
不動産登記と商業法人登記をバランスよく受託しています。
どちらかに特化している事務所が多いと思いますが、両方それなりの件数を扱っている事務所は少ないのではないかと思います。

<事務所方針>
事務所方針として、きめ細かく、丁寧迅速に高品質なサービスを提供し、信頼される事務所、所員であることをめざしています。
個が輝きながら、一人で背負わず組織で仕事をします

<メッセージ>
働き方は様々だと思いますが、私たちの事務所ならではの比較的柔軟な対応ができる可能性があります。実務経験を積みたい方は、是非お気軽にお問い合わせください。

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