キャリアコラム

司法書士と他士業との関わり

士業にはそれぞれの専門分野があり、司法書士は登記、税理士は税務など、独占業務も存在します。そのため、直面する問題の内容によって、各士業に相談することになりますが、一つの問題が複数の士業の専門分野にまたがることも珍しくありません。

この記事では、司法書士の主要業務である「登記」を例に、司法書士と他士業間で協力、連携する場面をいくつか紹介していきたいと思います。

不動産登記と他士業との関わり

建物が新築された時、不動産の売買や相続があった時など、不動産登記が必要になる場面は多々あります。これらの手続きの過程で、他士業との協力が重要になる場面が出てきます。

不動産登記と弁護士

相続によって不動産の所有者が変わる際、所有権移転登記を申請する前段階として、遺産分割協議を行うことがあります。この時、協議がスムーズにまとまれば良いのですが、場合によっては相続人間での争いに発展してしまい、第三者の仲介や、遺産分割調停・審判の申立てが必要になることもあります。

 紛争が予測される事案について、司法書士が代理出来る範囲には限りがあります。そのため、多くの場合は弁護士が当事者の代理人として、交渉や調停などの手続きを進めます。

 交渉や調停などが完了し、不動産の所有者が確定した後は、登記手続きに移行します。弁護士が登記手続きまで一貫して行うこともありますが、弁護士と連携して、登記の専門家である司法書士が行うケースもあります。

不動産登記と税理士

不動産の所有権が移転すると、所有権移転登記が必要になりますが、この時、税務面でも注意が必要な場合があります。

例えば、相続財産の規模が大きい場合には、相続税が発生する可能性があります。また、著しく低い価格で不動産売買が行われた場合は、その行為が実質的な贈与とみなされて、贈与税の対象となることもあります。これらの場合、相続税や贈与税の申告を行わなくてはなりません。税に関する相談などは税理士の独占業務に該当するため、司法書士では行うことが出来ません。

不動産の所有権が移転する際などに税務上の懸念がある場合は、トラブルを未然に防ぐためにも、事前に税理士と連携することが大切です。

不動産登記と土地家屋調査士

不動産の登記については、「権利に関する登記」と「表示に関する登記」があります。「権利に関する登記」は、不動産の所有権や抵当権などに関する登記のことで、司法書士が行う登記です。一方「表示に関する登記」は、新築や取り壊しなどにより不動産の物理的な状況が変化した際に行う登記のことで、こちらは土地家屋調査士の専門分野となります。

新築建物を例にすると、まず始めに、土地家屋調査士が建物の構造や床面積の測量、建物の位置確認などを現地で調査します。その後「表示に関する登記」を法務局に申請することで、物理的現況が記載された建物の登記簿が作られます。建物の登記簿が作られることによって、その後、司法書士が「権利に関する登記」として、所有権保存登記などを申請出来るようになります。

商業・法人登記と他士業との関わり

会社を設立する時や、会社の登記事項(商号、目的、資本金の額、役員など)に変更が生じる時には、商業・法人登記の手続きが必要です。

登記手続きの過程や、あるいは登記完了後の諸手続きにおいて、他士業と連携する場面が出てきます。

商業・法人登記と税理士

会社設立時の手続きの一つとして、資本金の額や事業年度などを定めます。この内容によっては、節税効果に差が出る場合があります。また、会社設立後には、税務関係書類を税務署や役所などに提出しなくてはなりません。これら税務面の相談や書類の作成、手続きの代行は、税理士の独占業務に該当します。

他にも、税理士は会社と顧問契約を結び、会社の様々な問題に対する相談窓口となることもあります。登記事項に変更が生じるような相談がされる場合、税理士から司法書士に連携されることも多々あります。

商業・法人登記と社会保険労務士

司法書士が会社設立登記を申請して、会社が設立された後は、社会保険の加入手続きが必要になります。従業員を雇用する場合は他にも、労働保険の手続きや労務管理業務が生じます。これらに関する書類作成や手続きについては、社会保険労務士の専門分野となります。

また、社会保険労務士は税理士同様、会社と顧問契約を結ぶケースもありますので、登記に関する相談内容があった場合は、司法書士と連携することになります。

商業・法人登記と行政書士

会社が行う事業の中には、特定の官公庁への届出や許認可が必要なものがあります。例えば、飲食業や建設業、不動産業、古物商などが該当します。事業に関する届出や許認可手続きなど、官公署に提出する書類などについては、行政書士の専門分野です。

届出や許認可手続きでは、登記事項証明書や定款の事業目的に特定の文言の記載が必要になったり、別途条件が求められたりすることがあります。そのため、司法書士が会社設立登記や目的変更登記を行う際などは、事業内容に応じて行政書士と連携することが大切になります。

終わりに

今回は、司法書士の主要業務である登記を例に、司法書士と他士業間で連携する場面をいくつかご紹介しました。本記事の内容はあくまで一例であり、様々な場面で他士業との連携が重要になります。これは、登記業務に限りません。各分野の専門家が互いに協力し合うことが、国民の権利をしっかりと守ることにもつながります。

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執筆者

司法書士法人TOTAL

司法書士試験合格者の皆様、司法書士試験受験生の皆様、これから目指そうかお考え中の皆様、司法書士法人TOTALです。

当法人の特徴としては、

<事務所>
事務所は、千葉県船橋市発祥
令和6年9月に丸の内事務所開設

<司法書士資格>
司法書士資格者4名在籍(うち1名未登録)総勢11名(令和6年9月現在)
司法書士受験を奨励・受験生を歓迎しており、現在発表前ですが今年度も複数名受験しています。
実際、受験生から司法書士に合格し、現在事務所の要として活躍している人もいます。
司法書士会の配属研修も、複数回受け入れ実績あります。
司法書士試験以外にも、行政書士試験、土地家屋調査士試験に挑戦するなど勉強熱心な人が多いです。もちろん一般事務が得意な方も歓迎です!

<主要業務>
主要業務は、登記業務
不動産登記と商業法人登記をバランスよく受託しています。
どちらかに特化している事務所が多いと思いますが、両方それなりの件数を扱っている事務所は少ないのではないかと思います。

<事務所方針>
事務所方針として、きめ細かく、丁寧迅速に高品質なサービスを提供し、信頼される事務所、所員であることをめざしています。
個が輝きながら、一人で背負わず組織で仕事をします

<メッセージ>
働き方は様々だと思いますが、私たちの事務所ならではの比較的柔軟な対応ができる可能性があります。実務経験を積みたい方は、是非お気軽にお問い合わせください。

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