キャリア相談室

会計事務所経験者の税理士試験専念と就職時期

■年齢  28
■性別  男
■資格  簿記2級、科目合格なし(法人税・消費税勉強中)
■職歴  会計事務所 5年5ヶ月 H20.8退職
■学歴  地方私立大学 偏差値50程度
■居住地 それ以外の地方

 

 新卒で会計事務所に入っていたのですが、一時税理士業界を諦めようと思い、退職しました。
 ただ時間をおいて考えてみるともう一度業界に戻りたいと思っており、就職時期について悩んでおります。

 

Q1.今すぐ就職すべきか、せっかくなので一部でも科目にメドをつけるためH21.8試験を受験したあと就職活動をするべきか(1年のブランク、29歳)か悩んでおります。採用する方の観点からどう映るでしょうか?

 

Q2.中堅もしくは大手の税理士法人に勤めたいという願望があります。おそらく都市圏に進出する形になるります。地方都市の会計事務所の経験しかないので就職できるのかが非常に不安です。
 なので地元で3年くらい(31歳)専念し、大手中堅の事務所を受けてみるべきなのか、年齢的なものから、もう諦めて地元で独立等を考え動いた方がよいのか、正直考えがまとまっておりません。

 

A1.
最低でも21年8月までは試験勉強を続けて欲しいと思います。
まずは、本気で税理士試験を勉強するという経験をすべきだと思います。
税理士試験は、暗記と根気+スピードが求められる試験です。
法人税と消費税はその適性が如実に出るきつい科目です。
仕事の頭脳から、受験の頭脳に切り替えるのに少し時間がかかっていると思いますが
今後の進むべき道を決めるのに、
自分がこの試験に向いているか、耐えられるか、
今やれるだけの努力をしてもらいたいです。

 

先日、応募してくれた、人柄が良い、仕事は出来そうな方に
しばらく勉強するように言いました。
うちの場合は、男性は、最終的に税理士になれるかどうかが採用の前提になります。
(女性の場合は、受験は必須ではありません)
税理士法人TOTALの場合、何度も中途半端に転職を繰り返す人よりも
本気で仕事や勉強に打ち込んでくれる人のほうが評価は高いです。

 

5年以上の実務経験があるので仕事は相当できるようになっていると思います。
今度は、本気で勉強してみませんか。
30歳前後なら、実務経験者が就職で不利になることは無いでしょう。

 

A2.
BIG4を中心とする大手会計事務所は3科目程度の合格が必須になるでしょう。
都市圏の中堅会計事務所の場合、色々な事務所があります。
経験5年以上、法人税受験経験ありならおそらく採用するところもあると思います。

 

ただ、もし、夏までの受験で、自分に税理士試験の適性があると思えたなら
(資金や家族の理解等があり)出来るなら、
2年ないし3年、受験に専念することをお勧めします。
(あまり長い受験専念は精神衛生上危険です)

 

20代で5年以上の実務経験は仕事をしたり、就職する上で圧倒的に有利です。
一方で、税理士試験は難関で、相当、根を詰める必要があり、年齢が上がるほど不利です。
一度退職したこの時期に連続して受験してみませんか。
その間、どの科目を合格できるか、将来、大学院に行けるかによって、専念期間は考えてみたらいかがでしょうか。

 

税理士法人TOTALで働いているスタッフでも、
・科目合格者で、税理士試験を受験しながら夜間・週末大学院に通っている方
(働きながら、大変な中、昨年も一科目合格して頭が下がります)
・3科目合格者で、週末大学院に進学して、2年後に税理士になることが事実上確定した者
(その間、あまりストレス無く仕事をできるようです)
など、みんながんばっています。

 

(うちは、有資格者と主婦以外は全員受験生です。また、一定の条件を満たせば大学院の授業料を事務所で負担しています。)

 

都市圏の大手等に勤務するのが良いのかは、今後の「生き方」によるのではないでしょうか。

 

都市圏では大手の場合、BIG4や専門特化型(資産税・REIT(不動産投資信託)、SPC(特定目的会社)、IPO(新規公開株式)、J-SOX等)のように、地方に同じ仕事が無いものや単独では難しい形のものもあります。
地方の事務所とどちらが優れているというわけでは無いように思います。

 

私はお客様と信頼しあって仕事が出来る郊外型の総合事務所が肌に合います。

 

そう言えば、昨年末、科目合格して、地方に帰って受験するために退職した20代のスタッフもいました。一人暮らしも大変そうでしたが、彼も実務経験もあるので、いつか故郷で税理士になってもらいたいものです。

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執筆者

高橋 寿克

税理士法人TOTAL
代表社員税理士

高橋 寿克

千葉県船橋市生まれ。農家の12代目。税理士・行政書士・CFP®・医業経営コンサルタント。
開成高校、早稲田大学政治経済学部卒。
1999年 高橋寿克税理士事務所を開設。現在は全国19拠点に拡大したTOTAL Groupの代表として、税理士法人をはじめ、司法書士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人を擁する。
徹底した業務の標準化やクラウドシステム(マネーフォワード、freee)活用で業務効率化を推進。「あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい」を理念に日本一の総合士業事務所を目指している。

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